後見の失敗事例 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2017/12/06
- 最終更新日:2026/08/04
親族間の財産管理はトラブルの元?よくある失敗事例
認知症による判断能力の低下や、病気での長期入院など、ご家族の財産管理が必要になる場面は突然訪れます。「家族だから大丈夫」と親族間で管理を任せた結果、後々大きなトラブルに発展するケースは決して珍しくありません。
ここでは、実際に起こり得る財産管理の失敗事例と、大切な財産を守るための対策について詳しく解説します。
【失敗事例1】認知症の親の財産を家族が無断で使い込んだケース
認知症と診断された山田さん(仮名)には、2人の子ども(孝さん、良介さん)がいました。山田さんにはマンション等の管理・運営で月100万円近い収入がありましたが、これまでは次男の良介さん夫婦が事実上の財産管理を行っていました。
ある日、良介さんから「孝さんが財産を当てにしているから、司法書士に後見人になってほしい」と当事務所へ相談が寄せられました。しかし、専門家として山田さんの財産状況を詳細に調査したところ、毎月の多額の収入がすべて無くなっていることが判明したのです。
深く事情を聞くと、実は良介さん夫婦自身が6年間にもわたり財産を私的に使い込んでおり、その額は数千万円に膨れ上がっていました。孝さんから追及されるのを恐れ、成年後見制度を利用して専門家を介入させることで、自らの使い込みをうまくごまかそうとしていたのです。
⚠️ 【警告】親族間の使い込みは深刻なトラブルに発展します
親子や兄弟の間であっても、使い込みなどの不正が発覚すれば互いに強い猜疑心が生まれ、二度と元の平和な関係に戻ることはできなくなります。また、親族による財産の使い込みは民事上の返還請求の対象となるだけでなく、状況によっては業務上横領罪等の刑事事件に発展するリスクもはらんでいます。
【失敗事例2】病気の母の財産管理を親族に任せたら財産が消滅したケース
母と娘(良子さん)の2人家族の事例です。母親の鈴木さんは判断能力は正常でしたが、健康を害し長期入院を余儀なくされました。娘の良子さんは海外留学中だったため、母親の兄である浩太さんが急遽サポートに入ることになりました。
鈴木さんは自分で入院費の支払い等ができない状態だったため、浩太さんとの間で「財産管理委任契約」を締結し、月10万円の報酬で財産を預けることになりました。さらに浩太さんは、鈴木さんの病状が悪化すると「浩太さんがほとんどの財産を受け取れる」という内容の遺言まで作成させていたのです。
その後、間もなく鈴木さんが亡くなり、良子さんが急いで帰国したときには、母親の財産はすっかり底をついていました。良子さんは母親の入院自体は知っていましたが、重い病状であることや、財産管理委任契約の締結、自分に不利な遺言の存在などは全く知らされていなかったのです。
💡 ポイント:アバウトな約束が最大の落とし穴
親族間では「身内だから悪いようにはしないだろう」という信頼関係をベースにするため、契約内容をあいまいにしがちです。しかし、相手を信じて任せた結果、騙されたと気づいたときの憎しみの感情は非常に強く、二度と修復できない関係となってしまいます。財産管理には厳格なルールと透明性が不可欠です。
トラブルを防ぐ!司法書士など専門家を第三者とするメリット
このような親族間の悲しい財産トラブルを防ぐためには、利害関係のない第三者であり、法律の専門家である司法書士に財産管理や成年後見人を依頼することが非常に有効です。
| 比較項目 | 親族による管理 | 専門家(司法書士)による管理 |
|---|---|---|
| 透明性・中立性 | 他の親族から不信感を持たれやすい。私的流用のリスクがある。 | 裁判所や監督人の元、厳格に管理するため透明性が高く、親族間の疑心暗鬼を防げる。 |
| 法的手続きの確実性 | 専門知識がないため、複雑な手続きや報告でミス・遅延が生じやすい。 | 成年後見制度の利用から相続手続きまで、法的に確実な手続きを一貫して行える。 |
| 親族間の関係維持 | 一度トラブルが起きると修復不可能になることが多い。 | 専門家が矢面に立つことで、親族間の平穏な関係を保つことができる。 |
実際に、最高裁判所が発表している「成年後見関係事件の概況」によれば、成年後見人等による不正行為のうち、その多くが親族等の身内によって行われているというデータもあります。大切なご家族の財産を守るためにも、公的な制度と専門家を正しく利用することが重要です。
出典:最高裁判所「成年後見関係事件の概況」
参考:法務省「成年後見制度について」
成年後見・財産管理を利用するまでの流れ
当事務所(司法書士)へご依頼いただいた場合の一般的な流れは以下の通りです。
ご本人やご家族の状況、現在の財産内容をお伺いし、最適な制度(成年後見制度、任意後見契約、財産管理委任契約など)をご提案します。
家庭裁判所への申立てに必要な書類(戸籍謄本、医師の診断書など)の収集や、契約書の作成をサポートいたします。
家庭裁判所の審判や契約の締結を経て、司法書士が利害関係のない第三者として、責任をもって財産管理をスタートします。
家族の間であっても、お金が絡むと取り返しのつかないトラブルになり得ます。「もしかして使い込まれているかも…」「将来の財産管理が不安だ」と感じたら、手遅れになる前に、成年後見と相続の専門家である当事務所へお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































