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相続放棄のよくある質問(Q&A)|期限や手続きの注意点を司法書士が解説 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ

公開日:2017/12/06
最終更新日:2026/04/02

相続放棄に関するよくあるご質問と回答をまとめました。
「借金の方が多くて相続したくない」「手続きの期限が過ぎてしまいそう」など、お悩みの方は参考にしてください。

Q1亡くなった夫に借金があり、相続をしたくない場合はどうすればよいですか?

A. 「相続放棄」または「限定承認」の手続きを検討します。

民法では、プラスの財産よりマイナスの財産(借金)が多い場合、支払義務を免れる方法として以下の2つの制度を定めています。

相続放棄 最初から相続人ではなかったとみなされ、一切の財産と借金を受け継ぎません。
限定承認 プラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産(借金)を支払い、残った財産があれば相続する制度です。※相続人全員で申し立てる必要があります。

【手続きの期限】

どちらも「自己のために相続の開始があったことを知った時(通常は亡くなったと知った日)から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

Q2被相続人(亡くなった方)の生前に、あらかじめ相続放棄をすることはできますか?

A. できません。

相続放棄は、被相続人がお亡くなりになり、相続が開始した後でなければ家庭裁判所での手続きを行うことができません。

Q3死亡から3ヶ月以上経過してしまったのですが、相続放棄はできますか?

A. 条件を満たせば可能な場合があります。

相続放棄の期限は「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」です。したがって、亡くなった事実を後から知った場合は、その知った日から3ヶ月以内であれば可能です。

【例外的に認められるケース】
自分が相続人であることは知っていたが、「借金等のマイナスの財産が全くないと信じるにつき相当な理由がある」と家庭裁判所に認められた場合は、借金の存在を知った時から3ヶ月以内であれば受理される可能性があります。

裁判所に事情を正確に伝えるための申述書作成が重要になりますので、3ヶ月を過ぎてしまった方は速やかに当事務所へご相談ください。

財産の処分(単純承認)に関するご質問

相続財産を一部でも処分したり使ってしまったりすると、「単純承認(相続する意思がある)」とみなされ、相続放棄ができなくなるため注意が必要です。(民法第921条)

Q4被相続人の不動産を売却してしまったのですが、相続放棄できますか?

A. できません。不動産のような重要な相続財産を処分(売却など)した場合、単純承認とみなされ原則として相続放棄は認められなくなります。

Q5被相続人の預貯金を引き出して葬儀代に使ったのですが、相続放棄できますか?

A. 身分相応の葬儀費用であれば、相続放棄できる可能性があります。

過去の裁判例では、社会通念上「身分相応の当然営まれるべき程度の葬儀費用」を相続財産から支払った場合については、単純承認には当たらないとされたケースがあります。

⚠️ ご注意ください
認められるのはあくまで「必要最小限の部分」のみです。のちに裁判所や債権者から説明を求められた際に証明できるよう、明細書や領収書は必ず保管しておいてください。

Q6被相続人が使用していた日用品を処分してしまったのですが、相続放棄できますか?

A. 可能です。一般的に経済的価値がない日用品(古着など)の処分であれば、単純承認には当たらず、相続放棄の障害にはなりません。ただし、高価な時計やブランド品などは「価値ある財産の処分」とみなされるおそれがあるため注意が必要です。

相続放棄後の財産に関するご質問

Q7相続放棄をした後、被相続人の預貯金はどうなりますか?

A. 絶対に引き出さないでください。

放棄後は相続人ではないため、預貯金には手を付けてはいけません。放棄後に引き出して使ってしまった場合、単純承認とみなされ放棄が無効になるリスクがあります。

全員が相続放棄して誰も受け継ぐ人がいない場合、利害関係人の申し立てにより「相続財産清算人(管理人)」が選任され、債権者への配当等が行われます。最終的に残った預貯金は国庫に帰属するか、時効により消滅します。

Q8相続放棄をした後、被相続人の不動産(空き家など)はどうなりますか?

A. 最終的には国のものになりますが、管理義務が残る場合があります。

預貯金と同様に、相続財産清算人が選任されて清算手続きが行われ、買い手がつかなければ国庫に帰属します。
なお、ご自身がその不動産を占有していた場合などは、次順位の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その財産を保存する義務が残る点にご注意ください(民法第940条)。

他者からの請求・要求への対応

Q9手続き中や完了後に、金融機関から支払いの請求が来たらどうすればいいですか?

A. はっきりと「相続放棄をします(しました)」と伝え、支払いは拒否してください。

  • 手続き中:「現在、家庭裁判所で相続放棄の手続き中です」と伝えます。
  • 手続き完了後:家庭裁判所が発行した「相続放棄申述受理証明書」または「受理通知書」のコピーを債権者へ送付します。
【重要】少額でも支払ってはいけません!
「1,000円でもいいからとりあえず払って」と言われて支払ってしまうと、債務を認めた(単純承認した)とみなされ、相続放棄が認められなくなる危険性があります。

Q10他の親族から「遺産分割協議書に実印を押して」と言われました。どうすればよいですか?

A. 「相続放棄の手続き中なので協力できない」と断ってください。

遺産分割協議に参加して署名押印することは「相続財産の処分行為」に当たり、相続を承認したとみなされてしまいます。

Q11裁判所に認められた相続放棄が、後から無効になる(取り消される)ことはありますか?

A. あります。相続放棄の手続き前に、実は相続財産をこっそり隠していたり処分していたことが後から発覚した場合、債権者などから訴訟を起こされ、結果として相続放棄が無効になる可能性があります。

Q12一度完了した相続放棄を、後から自分で「撤回」することはできますか?

A. 原則として「撤回」はできません。

「やっぱり財産が欲しくなった」などの個人的な理由で撤回することは不可能です。ただし、例外として「詐欺によって騙されて放棄させられた」「強迫されて無理やり放棄させられた」などの特段の事情がある場合は、家庭裁判所に申し立てることで「取り消し」が認められる場合があります。

Q13夫が借金を残して死亡。妻である私が受取人の生命保険金はもらえますか?それを受け取ると相続放棄できなくなりますか?

A. 「保険金の受取人」が誰に指定されているかによって結論が異なります。

① 受取人が「特定の個人(妻など)」に指定されている場合

受取可能です。相続放棄も問題なくできます。
この保険金は遺産ではなく、指定された受取人の「固有の財産」となるためです。受け取っても財産の処分行為には当たらず、相続放棄の前後にかかわらず受領できます。

② 受取人が「被相続人(亡くなった夫自身)」になっている場合

受け取ると相続放棄ができなくなります。
この場合は保険金が亡くなった方の「遺産」に含まれるため、受け取ってしまうと単純承認とみなされます。相続放棄をする場合は、この保険金は受け取れません。

Q14財産がプラスかマイナスかわからず、調査に時間がかかりそうです。3ヶ月以内に手続きが終わらない場合はどうすればいいですか?

A. 家庭裁判所へ「熟慮期間の伸長」を申し立てます。

3ヶ月という期限(熟慮期間)内に財産調査が終わらず、相続放棄や限定承認の判断が難しい場合は、期限が切れる前に家庭裁判所に対して「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。
これが認められれば、判断のための猶予期間を延長してもらうことができます。

相続放棄は「知ってから3ヶ月以内」という厳しい期限があり、一度手続きを間違えると取り返しがつきません。
少しでも不安がある場合は、ご自身で判断・行動する前に、ぜひ司法書士等の専門家へご相談ください。

 

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また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。

この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ

代表

鈴田 祐三

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・不動産売買

経歴

立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。


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