死後事務委任契約 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2017/12/06
- 最終更新日:2026/08/04
相続や老後の備えに関して、以下のようなお悩みはありませんか?
- ☑ 独身なので、もしものときに頼れる家族がいない
- ☑ 結婚はしているが、子どもがいない
- ☑ 同世代の兄弟や親族に死後の負担をかけるのは不安
- ☑ 親族と長年疎遠にしている、または遠方で頼りづらい
通常、ご自身が亡くなった後のさまざまな手続きは、ご家族や親族が行うのが一般的です。しかし、身近に頼れる方がいない場合、亡くなった後の諸手続きが放置されてしまう恐れがあります。
「将来、周りに迷惑をかけたくない」「自分の望む通りに葬儀や納骨を行いたい」という方には、死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)の活用を強くお勧めします。
死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、委任者(ご本人)が受任者(信頼できる第三者や司法書士などの専門家)に対し、亡くなった後の葬儀、納骨、埋葬、および各種事務手続きについての代理権を付与し、死後の事務を委託する契約です。
【注意】通常の委任契約は「死亡」によって終了します
民法の規定(民法第653条)により、通常の委任契約は原則として「委任者の死亡」によって終了します。しかし、当事者間で「委任者の死亡によっても契約を終了させない」という特約(合意)を結ぶことで、死後事務委任契約は法的に有効となり、死後の手続きを任せることが可能になります。
亡くなった後に任せられる事務手続き(具体例)
死後事務委任契約では、ご自身の希望に合わせて以下のような幅広い手続きを委任することができます。
- 親族・関係者への死亡連絡
- 葬儀、火葬、納骨、埋葬、永代供養に関する手配と支払い
- 医療費や介護施設などの未払い金(債務)の精算
- 賃貸住宅の退去手続き、明け渡し、敷金・入居一時金の受領
- 公共料金、クレジットカード、携帯電話などの解約手続き
- 家財道具や生活用品などの遺品整理・処分
遺言書・成年後見制度との違いに注意
死後事務委任契約を検討する際、よく混同されるのが「遺言書」や「成年後見制度」です。それぞれ法的にカバーできる範囲が異なるため、目的に応じて使い分ける必要があります。
| 制度 | 対象期間 | 主な目的・できること |
|---|---|---|
| 死後事務委任契約 | 死後 | 葬儀・納骨の手配、未払い金の精算、賃貸の解約など「事務手続き」全般。誰に財産を遺すかは指定できません。 |
| 遺言書 | 死後 | 「誰にどの財産を相続させるか」という「財産の承継」を指定します。葬儀等の希望を書いても法的な強制力はありません。 |
| 成年後見制度 (任意後見など) |
生前 (判断能力低下後) |
ご本人の生存中の財産管理や身上保護を行います。ご本人の死亡と同時に職務は終了し、死後の手続きはできません。 |
このように、「残った財産を特定のAさんに譲りたい」といった内容は死後事務委任契約ではなく「遺言書」に記載する必要があります。
確実にご自身の希望を叶えるためには、「遺言書」で遺言執行者を指定し、その遺言執行者と同じ相手と「死後事務委任契約」を結んでおくという方法が非常に効果的です。
契約内容と費用の注意点
死後事務委任契約を結ぶ上で、もっとも注意すべきなのが「費用の負担(預託金)の確保」です。
受任者が死後の手続き(葬儀代、未払い家賃、遺品整理費用など)を行うためには、当然ながら資金が必要です。任意後見契約だけを結んでいたとしても、ご本人の死亡によってその権限は消滅するため、生前の財産から死後の支払いを行うことはできなくなってしまいます。
【対策】費用の支払い方法を明確にしておく
死後の事務手続きを滞りなく進めるため、以下のような方法で資金を確保します。
- 生前に受任者へ概算費用を「預託金」として預けておく。
- 遺言書の中で「祭祀主宰者(葬儀等を取り仕切る人)に対し、葬儀費用に充てるため金〇〇円を相続させる」と指定しておく。
まとめ:万全の備えには「5つのセット」がおすすめ
老後の不安や死後の手続きに対する備えは、単一の契約だけでは不十分なケースが多々あります。
現在から死後まで切れ目のないサポートを実現するためには、以下の契約を状況に合わせて組み合わせることをお勧めします。
安心の老後と死後のための包括的な備え
定期的な面談や訪問で心身の健康状態を把握する
足腰が弱った際などに銀行手続き等を任せる
認知症などで判断能力が低下した後の財産管理
亡くなった後の葬儀・各種事務手続き
財産の分配(誰に何を遺すか)の指定
身寄りがない方や親族に負担をかけたくない方は、これらをセットで検討することで、今現在できるすべての準備を整えることができます。
どの契約が必要になるかは、お客様のご状況やご希望によって異なります。老後や死後の手続きに少しでも不安を感じたら、まずは当事務所の司法書士へお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
-
相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
-
立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































