成年後見制度の種類と選び方 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2017/12/06
- 最終更新日:2026/06/24
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が不十分な方が、財産上の不利益を受けたり、人としての尊厳を損なわれたりすることがないよう、後見人が財産管理と身上保護を行う法的な仕組みです。
2000年(平成12年)の民法改正によって現在の制度が整備され、法務省が所管しています。
📌 根拠法令
- 任意後見:任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号)
- 法定後見:民法 第7条・第11条・第15条(後見・保佐・補助)
- 制度概要:法務省「成年後見制度について」
成年後見制度の2つの種類
成年後見制度は大きく次の2種類に分かれます。
| 種類 | 任意後見制度 | 法定後見制度 |
|---|---|---|
| 後見人の選び方 | 本人があらかじめ自分で選ぶ | 家庭裁判所が選任する |
| 利用できる時期 | 判断能力があるうちに契約 | すでに判断能力が低下している場合 |
| 本人の意思反映 | 契約内容で詳細に決められる | 本人の意思を尊重しつつ裁判所が判断 |
| 手続きの窓口 | 公証役場(公正証書で契約) | 家庭裁判所(審判申立) |
(1)任意後見制度
任意後見制度は、まだ判断能力があるうちに、将来に備えて自分で支援者(任意後見人)を選んでおく制度です。「任意」とは「自分の意思で決める」という意味で、誰に・何を頼むかをあらかじめ本人が決められる点が最大の特徴です。
任意後見制度のポイント
- 支援してほしい内容(財産管理・医療施設への入退所手続きなど)を契約書に具体的に記載できる
- 任意後見人は複数人でも構わない。法人が就任することも可能
- 契約は公正証書で作成する必要がある(任意後見契約に関する法律 第3条)
- 判断能力が実際に低下した段階で、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して制度が開始される
⚠ 注意:任意後見契約を結んだだけでは効力は生じません。判断能力が低下した後、家庭裁判所へ任意後見監督人の選任申立てを行って初めて制度が開始されます。
(2)法定後見制度
法定後見制度は、すでに判断能力が低下している方のために、家庭裁判所が適切な後見人を選任する制度です(民法第7条・第11条・第15条)。選ばれた法定後見人は、本人の意思を可能な限り尊重しながら、財産管理や身上保護を担います。
法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて以下の3類型に分かれます。
類型① 補助
対象:判断能力が不十分な方(日常的なことはできるが、重要な法律行為の判断に不安がある)
主な権限:特定の行為についての同意権・代理権(本人の同意が必要)
根拠:民法第15条〜第17条
類型② 保佐
対象:判断能力が著しく不十分な方(日常的な買い物はできるが、不動産売買・借金などの重要行為は難しい)
主な権限:民法第13条に定める重要行為への同意権・取消権、申立てにより代理権
根拠:民法第11条〜第13条
類型③ 後見
対象:判断能力がほとんどない方(意思表示が困難な状態)
主な権限:財産に関するほぼすべての行為の代理権・取消権(日用品購入などは除く)
根拠:民法第7条〜第9条
📋 3類型の比較表
| 類型 | 判断能力の状態 | 支援者の呼称 | 申立権者 |
|---|---|---|---|
| 補助 | 不十分 | 補助人 | 本人・配偶者・四親等内の親族など |
| 保佐 | 著しく不十分 | 保佐人 | 本人・配偶者・四親等内の親族など |
| 後見 | ほとんどない | 成年後見人 | 本人・配偶者・四親等内の親族など |
まとめ:どちらの制度を選ぶべきか
- 今はまだ判断能力がある→ 任意後見制度で、将来に備えた準備ができる
- すでに判断能力が低下している→ 法定後見制度(補助・保佐・後見)を家庭裁判所に申立て
- どの類型が適切かは、医師の診断書と家庭裁判所の審判によって決定される
- いずれの制度も、後見人は本人の意思と尊厳を最大限尊重して職務を行う義務がある
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































