遺言書の安全な保管方法と「遺言執行」の具体的な手続・流れ | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2026/04/29
- 最終更新日:2026/05/11
遺言書の確実な保管方法と選び方
遺言によって自らの意思を実現するためには、作成した遺言書を相続人に見つけてもらわなければなりません。発見されなければ、せっかく作成した遺言も法的な効果を発揮することができません。
遺言者が亡くなった後、相続人らが速やかに発見できる場所に保管する一方で、「隠匿(隠されること)」や「改ざん(勝手に書き換えられること)」のリスクがない安全な場所を選ぶ必要があります。
【ポイント】代表的な遺言書の保管場所
遺言書の種類によって、保管の選択肢は異なります。最も安心なのは、遺言の作成から将来の手続きまで一貫して任せられる専門家に依頼することです。また、近年では公証役場や法務局の制度も充実しています。
| 司法書士(当事務所) (トータルサポート) |
・当事務所のような司法書士に保管を依頼する方法が、最も安心でスムーズです。 ・遺言書の作成アドバイスから、公証役場や法務局での手続きサポート、そして将来の「遺言執行」まで一貫して任せることができます。 ・法律上、厳格な守秘義務があるため秘密は完全に守られ、ご親族に余計な負担をかけることもありません。 |
|---|---|
| 公証役場 (公正証書遺言) |
・公正証書による遺言は、原本が公証役場に厳重に保管されます。 ・生存中は本人以外に内容が開示されることはなく、改ざんリスクもない確実な方法です。 ・作成には事前の書類準備や公証人との打ち合わせが必要ですが、司法書士が代理でサポート可能です。 |
| 法務局(遺言書保管所) (自筆証書遺言) |
・法務省:自筆証書遺言書保管制度を利用し、自筆遺言を法務局で保管してもらう方法です。 ・紛失や改ざんのリスクがなくなり、相続開始後の「検認」手続も免除されます。 ・ただし、遺言内容の有効性までは法務局で確認されないため、作成時に司法書士のチェックを受けることをお勧めします。 |
| 親族などの第三者 (自筆証書遺言) |
・自宅での保管や親族に預けるケースですが、法定相続人など利害関係者に預けると、隠匿や改ざんを疑われ紛争の元になる恐れがあります。 ・第三者に預ける場合は、利害関係のない公正な方か、遺言執行者(司法書士など)に預けるのが適当です。 |
| 関連行政機関 | お住まいの地域を管轄する法務局(遺言書保管所) ※遺言書の保管申請や閲覧は、管轄の法務局(遺言書保管所)にて行います。所在地や営業時間等の詳細は、法務局の公式ホームページにてご確認ください。 |
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遺言の執行(遺言内容を実現する手続)
相続が開始し遺言書が見つかったら、どのようにしてその内容を実現していくのでしょうか。具体的な手続きのステップを解説します。
遺言書が見つかったら、まずは「検認」手続を
公証役場に保管されている「公正証書遺言」や、法務局の保管制度を利用した「自筆証書遺言」の場合は、相続開始後すぐに遺言内容の実現(遺言執行)に取り掛かることができます。
しかし、自宅や金庫などで自筆証書遺言が見つかった場合は、速やかに「家庭裁判所」へ提出し、「検認(けんにん)」の手続きを受けなければなりません。
検認とは、相続人立会いのもとで遺言書を開封し、遺言書の形式や状態(日付、署名、状態など)を調査して、偽造や変造を防ぐための手続きです(参考:裁判所:遺言書の検認)。
⚠️【重要】封印のある遺言書は勝手に開封しないでください
中身を早く確認したい気持ちはわかりますが、家庭裁判所での検認を経ずに勝手に開封してしまうと、偽造・変造を疑われ親族間のトラブルに発展するばかりか、法律により「5万円以下の過料」に処される可能性があります。封がされている場合は、必ずそのままの状態で家庭裁判所へ持ち込んでください。
※なお、検認はあくまで「状態の保全」であり、遺言そのものの有効・無効を判断するものではありません。書き方が法律の要件を満たしていなければ、検認後でも無効と判断される場合があります。
遺言書が2通以上見つかった場合の効力
もし日付の異なる遺言書が2通以上見つかり、内容が重複・抵触している場合は、「後の日付(新しい日付)」のものが優先され、有効となります。
日付は封筒等に記載されているはずですが、勝手な開封はできないため、見つかった遺言書はすべて家庭裁判所へ持ち込みましょう。
遺言執行者とは?
検認が終わると、いよいよ遺言内容を実現させます。遺言の内容(不動産の名義変更、預貯金の解約・分配、認知、相続人廃除など)を実現するためには、様々な手続きが必要となります。
これらの手続きを実行する権限を持つのが「遺言執行者」です。遺言執行者は遺言書の中で指定されているか、第三者に指定を委託することができます。遺言に指定がない場合や、指定された人が辞退した場合は、家庭裁判所に選任を申し立てることも可能です。
遺言執行者には誰でも就任できますが、法律知識や煩雑な事務手続きが求められるため、当事務所のような司法書士等の法律専門家に依頼するのが一般的であり、最も安心です。
遺言の執行手順(フロー)
遺言執行者に選任されると、以下のような手順で職務を遂行します。
財産を証明する登記事項証明書(登記簿)や権利書、預貯金通帳などを調査して正確な「財産目録」を作成し、すべての相続人に提示します。
遺言に沿って遺産の分配を行います。不動産の相続登記申請、預貯金等の債権回収、債務の弁済など、具体的な各種手続きを実行します。
相続財産を不当に占有している者がいる場合は、明け渡しや移転の請求を行います。
相続人以外に財産を譲る(遺贈する)旨が記載されている場合は、その指定に従って遺産を引き渡し、必要に応じて所有権移転の登記申請も行います。
「認知」の遺言がある場合は市区町村へ戸籍の届出を行います。また、相続人の「廃除」や「廃除の取り消し」がある場合は、家庭裁判所に申し立てを行います。
遺言執行者はこれらの複雑な職務をこなし、相続人に調査や執行状況を報告する義務を負います。執行が完了するまでは、相続人が勝手に財産を処分することを差し止める強い権限を持っています。
複雑な遺言執行・遺言書作成は司法書士へ
遺言の執行には、各金融機関での手続きや法務局での登記申請、裁判所への申し立てなど、極めて専門的で煩雑な事務処理が伴います。ご家族の負担を減らし、確実にご自身の意思を実現するためには、専門知識を持った司法書士に遺言執行者を依頼することが望ましいです。
司法書士には、執行だけでなく以下のサポートもご依頼いただけます。
- 法的に有効な自筆証書遺言作成のアドバイス
- 公正証書遺言の作成支援および公証役場との調整
- 公正証書遺言や秘密証書遺言作成時の「証人」への就任
- 相続開始までの遺言書の安全な保管と遺言執行
あらかじめ司法書士に遺言のご相談をしていただくことで、将来の親族間トラブル(争族)を未然に防ぎ、スムーズな遺産相続を実現できます。当事務所では、お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案し、迅速に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































