任意後見制度 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2017/12/06
- 最終更新日:2026/08/04
「将来、もし認知症になったら誰が財産を管理してくれるのか…」
そんな不安を解消するための有力な選択肢が「任意後見制度(にんいこうけんせいど)」です。ご自身の判断能力が十分なうちに、将来の備えを確実にしておくことができます。
任意後見制度とは?(法定後見との違い)
任意後見制度とは、ご本人に契約を結ぶための十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分になった場合に備えて、以下の2点をあらかじめ決めておく制度です。
- 誰に任せるか(任意後見受任者): 家族、親族、友人、あるいは司法書士などの専門家から自由に選べます。
- 何を任せるか(後見事務の内容): 財産管理や介護施設の入所手続きなど、具体的にどこまで支援してもらうかを自由に設計できます。
【重要】必ず「公正証書」で契約を作成します
任意後見契約は口約束や私製書類ではなく、公証役場において「公正証書」として作成することが法律(任意後見契約に関する法律)で義務付けられています。これにより、契約の確実性と法的な証明力が担保されます。
認知症などが進行した後に家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見制度」とは異なり、ご自身の意思を最大限に尊重できる点が最大の特徴です。
家庭裁判所と任意後見監督人の役割
任意後見制度においても、家庭裁判所の関与はありますが、その役割は「サポートとチェック」に重点が置かれています。
ご本人の判断能力が低下した際、関係者からの申し立てにより、家庭裁判所は「任意後見監督人」を選任します。この任意後見監督人が選任されて初めて、あらかじめ契約していた「任意後見受任者」は正式な「任意後見人」として業務をスタートできます。
任意後見監督人は、ご本人の利益を守るため、任意後見人が契約通りに適切に仕事(財産管理など)をしているかを定期的にチェックする重要な役割を担います。
任意後見制度のメリット・デメリット
制度を利用する前に、良い点と注意すべき点をしっかり押さえておきましょう。
■ 任意後見制度のメリット
- 自分の意思が尊重される: 判断能力が低下する前から、信頼できる人を自分で選んでおくことができます。
- 柔軟な契約内容: 「不動産の管理は任せるが、売却には特別な手続きを設ける」など、どこまで支援を頼むか(代理権の範囲)をオーダーメイドで決められます。
- 公的な証明: 契約内容は法務局に登記されるため、銀行や役所での手続きの際、任意後見人であることをスムーズに証明できます。
- 安心のチェック体制: 家庭裁判所が選んだ任意後見監督人が監督につくため、財産の使い込みなどの不正を防ぐことができます。
■ 任意後見制度のデメリットと対策
| デメリット・注意点 | 対策・解決策 |
|---|---|
| 死後の処理(葬儀手配など)を委任できない | 任意後見の効力は死亡により終了します。死後の事務は別途「死後事務委任契約」を結ぶことでカバーできます。 |
| 「取消権」がない | 悪徳商法などの被害に遭った際、法定後見にあるような「本人の行為を後から取り消す権利」が任意後見にはありません。 |
| 判断能力が低下するまで管理をスタートできない | 契約直後からすぐに財産管理(銀行手続きなど)のサポートが必要な場合は、「財産管理委任契約」を併用することで解決できます。 |
| 費用が二重にかかる場合がある | 専門家に依頼する場合、任意後見人の報酬に加えて、家庭裁判所が決定する任意後見監督人の報酬もご本人の財産から支払う必要があります。 |
任意後見制度は、単独で利用するよりも、「財産管理委任契約」や「死後事務委任契約」と組み合わせて活用(いわゆる移行型契約)することで、より万全な老後の備えを構築することができます。
ご自身の状況にどの制度が最適か、まずは専門家である司法書士にご相談いただくことをお勧めします。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































