暦年贈与と連年贈与 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2026/05/02
- 最終更新日:2026/05/11
贈与税は、もともと相続税の補完として位置づけられているため、相続税よりも税率が高く設定されています。そのため、「生前贈与は節税には向いていない」と勘違いされている方も多いかもしれません。
確かに税率は高いのですが、贈与税には「年間110万円の基礎控除」が設けられています。この非課税枠を利用し、年数をかけて計画的に贈与を行えば、大きな節税効果を生み出すことが可能です。
暦年贈与と「連年贈与」の大きな違い
例えば、お子様2人に対して毎年110万円ずつ、20年かけて贈与を続けたとします。この場合、最大4,400万円(110万円×2人×20年)までの財産を無税で移転できる計算になります。このような暦年(1月1日〜12月31日)ごとの基礎控除を利用した贈与を「暦年贈与」と呼びます。
しかし、ここで注意しなければならないのが、税務署から「連年贈与(れんねんぞうよ)」とみなされてしまうリスクです。
| 項目 | 暦年贈与 | 連年贈与(と認定された場合) |
|---|---|---|
| 定義 | 毎年、その都度新しく契約を結んで行われる独立した贈与。 | 最初からまとまった金額を分割して贈与する約束(定期金給付契約)があったとみなされる贈与。 |
| 課税のタイミング | 各年の贈与額に対して、その年ごとに課税される。 | 贈与の約束をした初年度に、贈与総額に対して一括で課税される。 |
⚠️ 【警告】連年贈与とみなされると多額の税金が発生します!
毎年110万円をただ漫然と振り込んでいると、税務署から「最初から4,400万円を贈与する意図があったが、税金逃れのために分割しているだけ(定期金給付契約に基づく贈与)」とみなされる恐れがあります。その場合、初年度に4,400万円全額に対して高い税率の贈与税が課されてしまいます。
連年贈与とみなされないための具体的な対策
ある程度年数をかけて生前贈与を進めていく場合、連年贈与の認定を避けるための客観的な証拠を残すことが不可欠です。具体的には、以下の手順・ポイントを守って贈与を行いましょう。
「毎年自動的に贈与している」わけではなく、「毎回新たに贈与の合意をしている」ことを証明するため、必ず毎回契約書を作成し、署名捺印を残します。
現金手渡しは避け、必ず贈与を受ける方(受贈者)ご本人の銀行口座へ振り込みます。通帳や印鑑は、親ではなく子供や孫(受贈者)自身が管理している実態(名義預金とみなされない状態)が必要です。
毎年同じ時期に同じ金額(例:毎年1月1日に110万円)を贈与するのではなく、時期をずらしたり、金額を変えたりすることで、独立した贈与であることを強調します。
あえて基礎控除を超える金額(例:111万円など)を贈与し、少額の贈与税を申告・納付することで、税務署に贈与の事実を明確に記録として残す方法も有効です。
相続税と贈与税の「税率の差額」を利用する
より保有財産が多い方や、ご高齢で長期間にわたる贈与(年数をかけること)が難しい方の場合、年110万円の贈与だけでは全体の相続税対策としてのインパクトが不足することがあります。
そのようなケースでは、あえて年間110万円以上の贈与を行い、贈与税を支払ってでも財産を移転させる手法が取られます。これは、財産規模に対する「相続税の最高税率」よりも、早めに贈与して支払う「贈与税の実効税率」の方が低くなるよう計算し、最適な贈与年数と金額を導き出す高度な方法です。
生前贈与の金額や年数は、ご自身の資産内容、現金の有無、今後の生活に必要なキャッシュフローなどを総合的に勘案し、個別に判断する必要があります。
当事務所では、生前対策の法務手続き(贈与契約書の作成や不動産の名義変更など)をサポートするだけでなく、提携する相続税・贈与税に強い税理士をご紹介し、税務面での正確なシミュレーションを実施することが可能です。
生前贈与や相続対策について詳しく知りたい方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































