相続不動産の境界問題 | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
- 公開日:2017/12/06
- 最終更新日:2026/05/11
相続時に発覚しやすい「不動産の境界」トラブルとは
「公図や登記上の境界線と、実際の現地の境界線が一致していない……」
実は、不動産の実務においてこのようなケースは決して珍しくありません。
【よくある境界が曖昧なケース】
- 塀や境界石などの明確な目印がない
- 昔あった境界標が崩れたり、土に埋もれたりしてはっきりしない
- 隣の家の木の枝や屋根が、自分の敷地に入り込んでいる気がする
このように境界が曖昧な状態のまま、長年生活しているというご家庭も多く散見されます。当事者同士の仲が良く、「お互い様」で済んでいるうちは良いのですが、問題は「相続」のタイミングで表面化します。
親の代では「あの木からこっちがうちの土地」というような曖昧な口約束で成り立っていた関係も、相続によって所有者が子や孫、あるいは第三者へと変われば通用しなくなるためです。
境界問題を放置してはいけない重大なリスク
今まで放置されていた曖昧な状態は、いざ不動産を活用しようとした際に実害を伴う大きなトラブルを引き起こす原因となります。
⚠ 境界が確定していないことで生じる主なリスク
- 不動産の売却が困難になる: 買主は後々のトラブルを嫌うため、境界が確定していない土地は買い手がつきにくく、売却できたとしても価格が大幅に下がる可能性があります。
- 家を建て替えられない: 建築確認申請の際、敷地の境界が明確でないと許可が下りないケースがあります。
- ご近所トラブルへの発展: 「自分の土地の範囲が確定できない」ことで、ちょっとした物置の設置やリフォームがきっかけで隣人との深刻な争いに発展する恐れがあります。
境界がわからない場合の4つの解決方法(ステップ)
万が一、隣地との境界が分からなくなってしまった場合は、当事者同士だけで解決しようとせず、以下のような専門家や公的な制度を活用して段階的に解決を図ります。
まずは測量や境界の専門家である「土地家屋調査士」に相談します。法務局等での資料調査や現地の測量を行い、隣地所有者との立ち会いのもとで境界の確認(境界確定)を行います。ほとんどのケースはこの段階での合意を目指します。
当事者間で境界の合意ができない場合、法務局の「筆界特定登記官」が、外部の専門家(筆界調査委員)の意見を踏まえて本来の境界(筆界)を特定してくれる制度です。
※出典:法務省:筆界特定制度について
日本土地家屋調査士会連合会などが運営する裁判外紛争解決機関です。裁判ではなく、専門家(土地家屋調査士と弁護士)が間に入り、話し合い(調停)によって柔軟で円満なトラブル解決を目指します。
話し合いや行政の制度などでも解決が難しい場合の最終手段です。裁判所が証拠に基づき、法的に境界線を判決で確定させます。時間と費用が大きくかかり、隣人関係も完全に修復不可能になるリスクがあります。
各解決策の比較表
| 解決方法 | 費用感 | 解決までの期間 | 特徴・留意点 |
|---|---|---|---|
| 土地家屋調査士への依頼 | 中 | 約2〜4ヶ月 | 隣接者との協力が必要。最も円満な解決方法。 |
| 筆界特定制度(法務局) | 中 | 約6ヶ月〜1年 | 公的な判断が下るため、合意ができなくても境界(筆界)が特定できる。 |
| ADR(境界問題相談センター) | 低〜中 | 数ヶ月程度 | 非公開での話し合い。お互いの譲歩による柔軟な解決が可能。 |
| 境界確定訴訟(裁判所) | 高 | 1年〜数年 | 最終的な法的決着。精神的・金銭的負担が最も大きい。 |
筆界特定制度を利用する際の管轄法務局(一例)
筆界特定制度を利用する場合、対象となる不動産を管轄する法務局(または地方法務局)へ申請を行います。以下は代表的な法務局本局の例ですが、実際の申請先は不動産の所在地によって異なります。
| 機関名 | 東京法務局(本局) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎 |
| 代表電話 | 03-5213-1234 |
| 受付時間 | 午前8時30分から午後5時15分(土日祝・年末年始を除く) |
※最新の情報や管轄については、必ず法務局のホームページ等でご確認ください。
まとめ:境界争いの泥沼化を防ぐには専門家への早期相談を
境界の争いでは、当事者それぞれが「自分に有利と思える証拠」を持っている一方で、「決定的な証拠」がないことが常です。
そのため、「昔、親がこう言っていた」「いや、そんなはずはない」といった水掛け論になりやすく、感情的な争いが延々と続くことになってしまいます。一度こじれてしまうと、その後のご近所付き合いにも修復不可能なヒビが入ってしまいます。
不動産を守るためのポイント
境界問題の壁にぶつかったら、当事者同士で直接やり取りを続けるのは得策ではありません。
なるべく早い段階で境界問題の専門家に相談し、公正な立場で客観的に判断してもらうことが、より良い解決への一番の糸口になります。
当事務所では、相続登記(不動産の名義変更手続き)と併せて、必要に応じて信頼できる土地家屋調査士等の専門家と緊密に連携し、皆様の大切な不動産を守るサポートを行っております。「実家の土地の境界がどうなっているか分からない」「相続した土地を売却したいが境界標がない」など、ご不安な点があればお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































