【相続放棄】多額の借金を残した元夫|子供の相続放棄手続き
【専門家が解説】離婚後の相続放棄、お子様のために知っておくべき全知識
「離婚した元夫が亡くなったが、多額の借金があるようだ。子供に借金を引き継ぐさせないために、相続放棄の手続きをしたいが、どうすれば…?」こういったご相談は、決して珍しくありません。このページでは、司法書士がご相談を受けた際に「まず何を確認し、どう判断するのか」という思考プロセスも含め、相続放棄の全知識を解説します。
ご相談の背景と司法書士の基本的な考え方
先日、元夫が亡くなったとの連絡を受けたご相談者様が事務所にお越しになりました。まず私達が確認するのは「法的に相続人となるのは誰か」という点です。
ご相談者様は元妻ですので、離婚によってご自身は相続人ではなくなっています。しかし、元夫との間に生まれたお子様は、両親の離婚後も変わらず法定相続人です。相続というとプラスの財産に目が行きがちですが、借金も相続の対象となるため、何もしなければお子様がその返済義務を負ってしまいます。実際には未成年者には返済能力がないため、親権者であるご相談者様が対応に追われることになりかねません。
そこで私達は、プラスの財産とマイナスの財産を比較検討し、明らかに借金が多い場合は相続放棄の手続きを選択肢としてご提案します。
【重要】離婚後の相続関係はどうなる?3つのケース
相続放棄を検討する前提として、離婚後の相続関係は誤解されがちです。ここで代表的な3つのケースを見てみましょう。
-
ケース1
離婚前に子供がいる(今回のケース)
相続人は民法で定められており、配偶者は必ず相続人となります。
夫が亡くなった場合、その妻は必ず法定相続人となり、夫の財産を相続する権利があります。しかし、それはあくまで離婚前までの話です。
離婚後は元配偶者との親族関係はなくなるので配偶者に該当しません。
したがって離婚後に前夫が亡くなったとしても、元妻は財産を相続する権利はありません。 -
ケース2
離婚後、元夫が再婚して子供ができた
今回のケースのように離婚した元配偶者との間に子供がいた場合についてです。
離婚後、配偶者とは親族関係が解消されますが、配偶者との子供には親族関係は継続しております。つまり、元配偶者には相続する権利はありませんが、その子供には相続する権利はあるのです。
また、配偶者以外の親族の第1順位の相続人は子供となり、その子供が既に亡くなっていて子供がいる場合はその子供(被相続人からみて孫)が相続を行う権利があります。
※このような相続を代襲相続といいます。また、孫が亡くなっていた場合は、その孫の子供(被相続人からみるとひ孫)が相続人となります。
※このような相続を再代襲相続といいます。 -
ケース3
離婚前に元々子供がいない
前夫が離婚後に再婚し、再婚相手との間に子供が出来た場合についてです。
前妻は親族関係が解消されているので、前夫の相続をする権利はありません。
ただ前夫との間に子供がいた場合、上記の通り、その子供には相続する権利が発生します。もちろん再婚相手・再婚相手との子供にも相続する権利が発生するので、前夫が亡くなった場合の相続財産の分け方は下記の通りになります。
被相続人:前夫
再婚相手(妻):2分の1
再婚相手との子供:4分の1
自分(前夫から見て前妻)との子供:4分の1
自分:相続する権利なし
相続放棄とは?制度の概要とメリット・デメリット
相続放棄とは、家庭裁判所に「相続放棄申述書」という書類を提出し、法的に相続人でなくなる制度です。これが受理されると、プラスの財産もマイナスの財産も一切受け継ぐことがなくなります。
メリットとデメリット
【メリット】借金を返済する義務がなくなる点が最大の利点です。
【デメリット】一度受理されると原則として撤回できないこと、そして相続権が次順位の相続人(祖父母や叔父叔母など)へ移る点には注意が必要です。
【完全ガイド】相続放棄の申述手続きと流れ
手続きはご自身でも可能ですが、多くの方が専門家へ依頼されます。ここでは具体的な流れを解説します。
3ヶ月の熟慮期間内に判断する
相続放棄を検討できる期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」です(民法第915条)。この熟慮期間を過ぎると、原則として手続きができません。
必要資料の収集
申述には、被相続人の戸籍(除籍)謄本や住民票除票、申述する方の戸籍謄本などが必要です。事案によって必要な書類が異なります。
家庭裁判所への申述と受理
書類一式を家庭裁判所へ提出し、照会書に回答すると「相続放棄申述受理通知書」が届き、手続きが完了します。金融機関などへの証明として「相続放棄申述受理証明書」も取得できます。
まとめ:お子様のために、まずはお早めにご相談を
離婚後も、お子様を介して相続の問題は必ず発生します。3ヶ月という期限は、財産調査などをしているとあっという間に過ぎてしまいます。手続きの進め方や必要書類の判断など、少しでもご不安があれば、お早めに私たち専門家へご相談ください。
お急ぎください!相続放棄は3ヶ月の期限があります!
相続放棄は期限がありますので、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てをしなくてはなりません。
相続放棄の手続きは早めに済まさないといけませんので、ご不明点などがある場合は早急に相談が必要になります。
当事務所では、相続放棄以外にもについても無料相談を実施しています。
相続放棄でお困りなら行政書士法人 相続の窓口 司法書士法人クオーレへご相談下さい。
その他の相続放棄の解決事例
◆音信不通だった父親が亡くなり、債権者から支払通知書が届いたケース
相続放棄の無料相談実施中!
当事務所は、相続放棄の初回相談を完全無料で承ります。
相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せください。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは0120-7584-02になります。
お気軽にご相談ください。
電話受付:10:00~19:00(平日)10:00~17:00(土日祝)
相続放棄サポートの費用
項目 | ミドルプラン | フルプラン |
---|---|---|
無料相談 | 初回 | 何度でも |
戸籍収集 | 〇 | 〇 |
相続放棄申述書作成 | 〇 | 〇 |
書類提出代行 | 〇 | 〇 |
照会書への回答作成支援 | 〇 | 〇 |
債権者への通知サービス | × | 〇 |
親戚への相続放棄「まごころ」通知サービス | 〇 | 〇 |
パック特別料金 | 55,000円~(税込) | 66,000円~(税込) |
※ 料金は、相続放棄をなさる相続人1名様あたりの金額となります。
※ ミドルプランの「無料相談」は、2回目以降、相談料5,500円(税込)が発生いたします。
※ 当事務所の報酬とは別に印紙代や(除)戸籍謄本取得費用、郵送料等の実費が別途かかります。また、料金は消費税抜きの金額です。
※ ご兄弟の相続放棄の場合は、事案に応じて別途費用がかかります。
※ 相続放棄の期限までの日数に余裕がない場合(期限まで2週間以内の場合、ご兄弟が相続人の場合は1カ月以内)は別途費用がかかります。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
-
相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
-
立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。