同性パートナーが遺言を残したケース
状況
相談者様は、20年間実生活を共にしている同性のパートナーがいらっしゃる方でした。
自分の方が10歳年上で働いており、パートナーの方は働いていないため、先に自分が亡くなった場合のパートナーの相続権について不安を感じておられました。
生命保険は受取人を同性パートナーに指定できる保険会社に加入されたそうですが、それだけで良いものか、生前にある程度の財産を贈与してしまったほうがいいのかとのご相談でした。
相談者様の家族関係は、兄弟が3人いて、親は両方とも亡くなっているとのことでした。
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司法書士の提案&お手伝い
現状の法律では、何の対策もしていなければ、同性のパートナーに相続権はありません。
今回のケースでは相談者様の兄弟が相続することになります。対策としては、養子縁組をするか遺言書を作成することです。
養子縁組を利用すると、法律上の親子関係を作ることになるので、パートナーに子としての相続権が生じ、本ケースの家族関係であれば、パートナーに全ての財産が相続されることになります。
しかし、養子縁組すると養子は養親の姓を名乗ることになるので、社会生活に影響や支障がないか考える必要があります。
またパートナーが子になるというのは、法律上のことだけだとしても違和感を覚えるかもしれません。
養子縁組に抵抗がある場合は、公正証書遺言を活用されるとよいと思います。
生前にパートナーに財産を譲ることはもちろん可能ではありますが、年間110万円の基礎控除分以上贈与してしまうと贈与税がかかってしまいます。
遺言による場合は、相続税として課税されるので、基礎控除が3000万以上あり、贈与税に比べて納める税金が少なくなります。
結果的にパートナーに多くの財産を残せることになります。
兄弟姉妹には、遺留分という権利がありませんので、今回のケースではパートナーに全ての財産を遺贈するという遺言を作成しておけば、文字通り全ての財産を取得することができます。
遺言は、公正証書遺言でなくとも自筆で遺言を作成することもできますが、自筆遺言の場合、相続手続きを進めてく上で家庭裁判の検認手続きが必要になります。
また、自筆遺言の場合はそもそも遺言の有効性が疑われるなど、後々のトラブルになることも多々あるため、遺言を作成する場合は、公正証書遺言をおすすめいたします。
結果
後日パートナーの方と一緒に相談に来られて養子縁組は、気持ち的に嫌だということで遺言を公正証書で作成するお手伝いをさせていただきました。
これで少し肩の荷が下りたと喜んでおられました。
同性パートナーの場合、何も対策しないと一切財産が受け取れない事態がおこるので、事前に相手を思いやり、対策する必要があるので、気を付けないといけません。
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ここでは、生前贈与について詳しくご説明します。
暦年贈与と連年贈与
より節税効果の高い贈与をするために、正しい方法をお伝えします。
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相続時精算課税制度を選択した相続人ごとに、贈与された財産の価額が2500万円まで贈与税がかからないという特別控除を受けることができます。
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直系尊属から住宅を取得する目的で資金援助をしてもらう場合、贈与税が大幅に軽減されます。条件は複数あるため、事前に調べておきましょう。
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詳しくは、おしどり贈与(夫婦間贈与)の特例をご覧ください>>
負担付死因贈与契約とは
負担付死因贈与契約とは、「私が死ぬまで私の介護をしてくれたら、自宅の土地建物を譲る」というように、一定の約束を守ることを条件に財産を譲るという、贈与者と受贈者(贈与を受ける人)との合意のことです。
トラブルにならないためにも事前にどんなものか理解しておきましょう。
当事務所が選ばれる理由
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。