相続登記の際に権利書を紛失しているケース
権利書(権利証)を紛失!相続登記は不可能ですか?
「父(母)が亡くなり、遺品を整理したが、実家の不動産の権利書が見当たらない…」
このように、権利書(権利証)が遺品から見つからず、再発行もできないと聞いて、「相続登記(不動産の名義変更)ができないのではないか」と不安になってご相談に来られる方は多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、権利書(登記済証や登記識別情報)を紛失していても、相続による不動産の名義変更は原則として可能です。
この記事では、権利書を紛失した場合の相続登記について、なぜ権利書が不要なのか、例外的に必要となるケース、そして2024年4月1日から義務化された相続登記について解説します。
そもそも「権利書(権利証)」とは?
一般的に「権利書」と呼ばれているものには、主に2つの種類があります。
- 登記済証(登記済権利証)
2006年頃までに発行されていたもので、登記申請書の副本に法務局の「登記済」の印が押された書類です。この書類自体が権利の証明とされていました。 - 登記識別情報(通知)
2006年頃から順次導入されたもので、不動産ごと・名義人ごとに発行される12桁の英数字のパスワードのような情報です。緑色のA4用紙で通知されます(様式は変更されている場合あり)。
どちらも不動産の権利に関する非常に重要なものであり、紛失しても再発行は一切できません。
ただし、これらを失くしたからといって、不動産の所有権がなくなるわけではありませんので、ご安心ください。
法務省の解説(登記識別情報)
登記識別情報は,アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号であり,不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められ,登記名義人となった申請人のみに通知されます。
なぜ相続登記では権利書が「原則」不要なのか?
不動産を売買したり、贈与したり(生きている間に譲り渡す)する場合は、登記義務者(売主・贈与者)の本人確認と登記意思の確認のため、権利書(または登記識別情報)の提出が必須です。
しかし、「相続」による名義変更は、亡くなられた方(被相続人)から相続人への権利の移転であり、共同申請ではなく相続人が単独で申請します。
法務局は、権利書の代わりに「戸籍謄本(除籍謄本)一式」や「遺産分割協議書」などによって、被相続人が亡くなった事実と、申請人が正当な相続人であることを確認します。
このように、公的な書類(戸籍)によって相続関係が証明されるため、相続登記においては権利書が原則として不要なのです。
要注意!権利書が「例外的」に必要になるケース
原則不要と説明しましたが、例外的に権利書の提出を求められるケースがあります。
それは、「被相続人の登記簿上の住所」と「死亡時の最終住所」が、公的書類でつながらない場合です。
法務局は、登記簿に記載されている所有者と、亡くなられた方が同一人物であることを「氏名」と「住所」で確認します。
しかし、不動産を取得してから何度も引っ越しを重ねていると、役所の公的書類(住民票の除票や戸籍の附票)では住所の変遷が追えなくなることがあります。
以前は、住民票の除票などの保管期間は「5年間」とされていました。そのため、亡くなる何十年も前に登記した不動産の場合、登記簿上の古い住所から現在の住所までの繋がりを証明する書類が役所に残っていないケースが多々ありました。
※法改正(令和元年)により、現在の保管期間は150年に延長されましたが、改正前に保管期間(当時は5年)を経過して破棄された書類は遡って取得することはできません。
このように住所の繋がりが証明できない場合、法務局は補完的な資料として、その不動産を取得した際の「権利書(登記済証)」の提出を求めてくるのです(登記識別情報通知では通常認められません)。
住所が繋がらず、権利書も紛失した場合の対処法
「住所の繋がりがとれない、かつ、権利書も紛失している」という最も複雑なケースでも、相続登記が不可能になるわけではありません。
この場合、以下のような手続きで対応できる可能性があります。
- 上申書(じょうしんしょ)の作成
相続人全員が「登記簿上の所有者は被相続人に間違いありません」と証明する書類(上申書)を作成し、実印を押印、印鑑証明書を添付します。 - その他の疎明資料の収集
古い戸籍の附票や、固定資産税の納税通知書など、同一人物であることを推認させる他の資料を提出します。
ただし、これらの書類で登記が認められるかは法務局の判断となり、手続きは非常に複雑になります。このような場合は、ご自身で判断せず、速やかに司法書士にご相談ください。
相続登記の放置はNG! 2024年から義務化されました
「権利書がないと手続きが面倒そうだ」と、相続登記を先延ばしにすることはできなくなりました。
2024年(令和6年)4月1日から、相続登記が義務化されました。
相続(または遺贈)によって不動産の所有権を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
相続登記の義務化
不動産の所有者が亡くなられた場合、その不動産を相続した方が、法務局において不動産の名義を変更する手続(相続登記)が、これまで任意とされていましたが、令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。
相続登記を放置すると、手続きが複雑になるだけでなく(今回の住所の繋がりのように)、いざ売却したいときに売却できなかったり、次の相続が発生して権利関係がさらに複雑化するリスクがあります。
権利書の有無にかかわらず、相続が発生したらお早めに手続きを進めることを強くお勧めします。
相続登記に必要な主な書類(権利書は不要)
相続登記では、権利書の代わりに以下の書類が必要となります(事案によって異なります)。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
- 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 不動産を取得する相続人の住民票
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(遺産分割で決めた場合)
- 遺言書(遺言がある場合)
これらの戸籍謄本等を収集・読解し、相続人を確定する作業は、非常に手間と時間がかかります。
名古屋で権利書を紛失してお困りの方はご相談ください
権利書(登記済証・登記識別情報)を紛失していても、相続登記は可能です。
ただし、例外的に手続きが複雑になるケースもありますので、不安な点がある場合は、相続登記の専門家である司法書士にご相談ください。
当事務所は、相続登記義務化や権利書紛失案件にも豊富な経験がございます。名古屋近郊で相続手続きにお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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| 相続財産の価額 | 報酬額 |
|---|---|
| 500万円以下 | 220,000円(税込) |
| 2,000万円以下 | 242,000円(税込) |
| 2,000万円以上4,000万円未満 | 242,000円~495,000円(税込) |
| 4,000万円以上6,000万円未満 | 495,000円~803,000円(税込) |
| 6,000万円以上8,000万円未満 | 803,000円~979,000円(税込) |
| 8,000万円以上1億円未満 | 979,000円~1,105,500円(税込) |
| 1億円以上1.2億円未満 | 1,105,500円~1,287,000円(税込) |
| 1.2億円以上 | 1,287,000円~(税込) |
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他事務所との料金比較
当事務所の相続手続丸ごとサポート(遺産整理業務)は他事務所と比べて安く設定されています。
| 相続財産の価額 | 一般的な事務所の報酬額 | 報酬額 |
|---|---|---|
| 500万円以下 | 275,000円(税込) | 220,000円(税込) |
| 2,000万円以下 | 275,000円(税込) | 242,000円(税込) |
| 2,000万円以上4,000万円未満 | 264,000円~528,000円(税込) |
242,000円~495,000円(税込) |
| 4,000万円以上6,000万円未満 | 528,000円~660,000円(税込) |
495,000円~803,000円(税込) |
| 6,000万円以上8,000万円未満 | 660,000円~990,000円(税込) |
803,000円~979,000円(税込) |
| 8,000万円以上1億円未満 | 990,000円~1,100,000円(税込) |
979,000円~1,105,500円(税込) |
| 1億円以上1.2億円未満 | 1,100,000円~1,364,000円(税込) |
1,105,500円~1,287,000円(税込) |
| 1.2億円以上 | 1,364,000円~(税込) |
1,287,000円~(税込) |
※ 司法書士法施行規則第31条において、司法書士の附帯業務として相続人からの依頼に基づき、遺産管理人として遺産整理業務を業として行うことができる旨が定められております。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
相続部門長
船戸 ゆい
- 保有資格
司法書士・相続手続カウンセラー・エンディングノート書き方セミ ナー講師
- 専門分野
-
相続・不動産登記・後見
- 経歴
-
南山大卒。名古屋市内の司法書士事務所に勤務中、平成24年度司法 書士試験合格。平成25年に鈴田司法書士事務所へ入社。平成27年鈴 田司法書士事務所の法人化により司法書士法人クオーレの社員とな る。相続に関する複数資格を保有していることから、相続に関する さまざまな悩みに対して最適な相続サポートを提案。多数の相談実 績を誇る。また、相続の相談件数1,400件以上の経験から相談者か らの信頼も厚い。




























































