相続人に未成年者が含まれていたケース
状況
奥様がお亡くなりになり、依頼者ご自身と幼いお子様お二人が相続人となりました。
奥様名義の不動産の名義変更手続きについてご相談をいただきました
司法書士の提案&お手伝い
未成年者は、原則、自身の判断のみで遺産分割協議を行うことができません。
そこで、法定相続分と異なる相続の手続き、例えば不動産をご主人の単独名義にしようとする場合は、その前提として、遺産分割協議が必要ですが、このような父と子の利益が相反する法律行為については、ご主人は法定代理人として権限を行使できないため、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てることになります。
その際、家庭裁判所は、子の法定相続分に相当する財産を確保するため、当該不動産に対する子の法定相続分の価格に相当するその他の財産を子に相続させる等、遺産分割の内容が全体として子に不利とならないよう慎重に審理したうえで、特別代理人を選任します。
一方で、遺産分割協議を行わず、法定相続に応じた名義変更する場合には、特別代理人選任をせずとも、親権者たるご主人のみから登記申請をすることができます。
結果
今回のケースでは、特別代理人を選任後、無事登記手続きを完了することができました。
仮に今回のケースで、遺言があれば、特別代理人を選任せずに希望どおりの相続手続きを進められますので、時間と費用が節約でき、かつ、亡くなった方の意思を尊重することができます。
法定相続人になる人に、未成年者がいる場合は、あらかじめ遺言を作成しておくことを強くお勧めします。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人クオーレ
相続部門長
船戸 ゆい
- 保有資格
司法書士・相続手続カウンセラー・エンディングノート書き方セミ ナー講師
- 専門分野
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相続・不動産登記・後見
- 経歴
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南山大卒。名古屋市内の司法書士事務所に勤務中、平成24年度司法 書士試験合格。平成25年に鈴田司法書士事務所へ入社。平成27年鈴 田司法書士事務所の法人化により司法書士法人クオーレの社員とな る。相続に関する複数資格を保有していることから、相続に関する さまざまな悩みに対して最適な相続サポートを提案。多数の相談実 績を誇る。また、相続の相談件数1,400件以上の経験から相談者か らの信頼も厚い。