遺産相続の相談先は?無料で相談できる?遺産相続に関する悩みのアレコレを解消! | 相続の窓口|【公式】司法書士法人クオーレ
身内が亡くなったときに行わなければならないものの一つに、遺産相続があります。
なんとなくイメージはしていても、具体的に何をどうすればいいのか想定できている人は少ないでしょう。
しかしわからないからといって、そのままにしておくと大変なことになりかねません。
突然やってくる遺産相続の際、頼りにできるのが司法書士です。
相続によって不動産を取得した場合、不動産の名義変更が必須となります。
司法書士は不動産の名義変更(相続登記)が可能であり、相続人が多く手続きが大変な場合、相続する不動産が多い場合などにも対応してくれます。
今回は、遺産相続の時に相談できるところ、相談できる内容とメリット、そのほかチェックしておくべきことについてまとめました。
無料でできる相続における相談先
相談先としては、税理士、司法書士、行政書士、弁護士の4パターンです。それぞれの特徴について解説します。
■税理士
相続するにともない、相続税や所得税など、税金まわりの対応が必要ならば税理士へ相談しましょう。
相続税の申告は、税理士しか対応できないからです。
ただし「基礎控除額3,000万円+600万円×法定相続人」で計算される数字を超えない限り、相続税は発生しません。
上記を超えない場合は、相続税を納める必要がないため、税理士へ相談する必要性もなくなります。
■司法書士
相続した財産の中に不動産が含まれていると、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する手続きが必要です。
名義変更と聞くと簡単なように聞こえますが、実際には細かな確認作業と書類作成があります。
そのときに司法書士へ依頼すれば、すべて対応してくれるため安心です。
また遺産分割協議書や相続関係説明図の作成、相続人調査や相続財産調査など相続に関わる手続きも含めて対応できるので、不動産がある場合は司法書士に依頼するのがベターでしょう。
名義変更の処理に関しては、弁護士も対応できるのですが、費用面を考えると司法書士へ依頼したほうが安く済む傾向にあります。
■行政書士
行政書士には、遺産分割協議書や相続関係説明図の作成、相続人調査や相続財産調査などを依頼できます。
必要に応じて、役所での戸籍謄本の収集や、金融機関での残高証明の取得などの面倒な作業も対応してくれます。
また、相続人の間でとくに争うことなくスムーズに協議が進むのであれば、弁護士に依頼せず行政書士への依頼だけで問題ないでしょう。
揉め事の解決や仲裁が必要な場合は弁護士への依頼が必要となります。
■弁護士
相続人が複数いる場合など、トラブルや揉め事が起きており、調停や審判で解決を図りたいのであれば弁護士へ依頼しましょう。
弁護士なら法律に関することをすべて取り扱えるだけでなく、相続全般に関しても相談に応じてもらえます。
それぞれの専門家に相談できる内容
相談先によって相談できる内容が異なります。違いについて理解しておきましょう。
■税理士に相談できること
税理士には、相続税・所得税に関することや、節税対策や税制調査の対策などを相談できます。
具体的には相続税申告、準確定申告、生前贈与について、相続財産に対しての評価、事業の承継、相続税の更正請求などが可能です。それぞれについて見てみましょう。
相続税については、基礎控除を超える場合、相続税を納める義務が発生します。ややこしい計算や控除・減税を確実に受けるための手続きは、税金の専門家である税理士へ相談しましょう。
相続税を正しく算出するには、相続財産の価値を正しく評価し、計算する必要がありますので、併せて相続財産の評価も依頼することをおすすめします。
また、被相続人が事業をしていた場合など、確定申告の必要があるのなら準確定申告の手続きをしなければいけません。さらに事業を継承するとなると、相続税の対応が発生しますので適切なアドバイスをもらうことをおすすめします。
税理士からは減税についてもアドバイスをもらえますので、積極的に相談しましょう。減税させる方法として効果的なのが、生前贈与です。節税の方法がさまざまあるため、相談しておいて損はありません。
今回は、4つの士業について取り上げていますが、この中で税務申告の代理権限を持っているのは税理士のみです。
そのため、税務的な対応が必要であれば税理士にしか依頼できませんので注意しましょう。
■司法書士に相談できること
司法書士には幅広い範囲で相談が可能です。
とくに相続に関連する業務でいえば、
・不動産の相続登記(名義変更)
・不動産の抵当権抹消登記
・遺産分割協議書の作成
・遺言書の作成、検認、遺言執行
・相続放棄
などがあります。
不動産を相続した場合、相続人へ名義の変更が必要になることは前述しました。
同時に、不動産に抵当権が設定されている場合には、担保の抹消登記の手続きが必要となることもあります。
仮に、相続した不動産を売却して現金化したい場合にも、相続人名義に変えてから売却相手に所有権移転登記の手続きが必要となるため、不動産登記が2回必要となります。
煩雑な書類作成などは任せたほうが確実でしょう。
また、司法書士に遺言の作成と検認を依頼できることはもちろん、遺言執行人としての役割を依頼することも可能です。
遺言執行者があらかじめ決まっていれば、遺言の内容を実行していくこともスムーズにでき、相続人間で争うことも少なくなるでしょう。
不動産登記が必要になったとしても、遺言執行人が司法書士であれば、相続人は特にすることなく手続きが執行されます。
遺言書を家庭裁判所で確認しないといけないケースでも、裁判所への検認申立の書類を作成してくれるため安心です。
万が一相続内容に借金が含まれていた場合、相続放棄という選択肢も生まれるでしょう。
相続放棄すれば、借金はもちろんプラスの遺産もすべて相続しなくてよくなりますが、裁判所への手続きが必要となります。
ここでも書類の作成などを請け負ってくれます。
■行政書士に相談できること
行政書士に相談、依頼できることは、基本的に書類作成に関することのみとなります。
税理士や弁護士などと違い、代理権を持っていないため、代わりに何かの手続きをしてもらう、裁判所へ申請してもらうなどはできません。
そのため、行政書士へ相談できる内容は限られます。
具体的には、遺言書の作成、相続人調査、車などの名義変更手続き、遺産分割協議書作成などです。例にあげたとおり、行政書士に依頼できることは他の士業にも依頼できます。行政書士にしかできない業務はありませんが、幅広く相談に乗ってくれます。
相続においては「書類作成を依頼したい」「相続人の調査をお願いしたい」という場合に、行政書士へ相談するといいでしょう。
■弁護士に相談できること
弁護士は法律全般に精通したエキスパートといえます。
また、法律面だけでなく、相続にまつわるあらゆるトラブルや揉め事に関する相談にも対応してもらえます。
たとえば、遺留分侵害額請求も弁護士に相談することが可能です。
遺留分とは遺言でも奪えない遺産の一定割合のことで、法定相続人が最低限の生活を保証されるためのものです。
相手方への請求だけでなく、その後の交渉や返還方法についても最後まで対応してくれます。
そのほか、他の士業へ依頼できることであっても、弁護士ならではのアプローチが期待できます。
たとえば相続財産調査についてです。この調査は税理士に依頼もできますが、弁護士の場合、官公庁や民間企業、団体、個人にあらゆる内容照会を求めることができます。
そのため、相続人の中に預金通帳を取り込んでいる人がいたとしても開示請求がかけられます。
それぞれの専門家に相談するメリット
ここまで具体的な相談先と相談できる内容についてみてきました。それぞれの士業の人々に相談することのメリットに違いはあるのでしょうか。
■税理士
税理士へ相談するメリットは、ずばり税制面です。
相続税や、準確定申告の相談や対応依頼が可能であり、相続する財産について正確な評価を受けられるため、税金の払い過ぎや控除や減税についてのアドバイスを受けられます。
また、相続税に関する手続きは相続開始後10ヶ月以内という期限が設けられていることと、税金の計算や申告手続きはややこしいうえに専門知識が必要となるため、素人には難しいものです。
税理士へ依頼すればすべて対応してくれるため、確実に期限内に申告を終えられるでしょう。さらに、万が一税務調査が入った場合でも同席して話をしてくれるため、安心できます。
■司法書士
相続する財産の中に不動産が含まれている場合は、司法書士へ相談しましょう。
不動産を相続する場合、相続登記という手続きが必要となります。相続登記は簡単にいうと不動産の名義を相続人に変更するものですが、この手続きが非常に面倒です。
被相続人の戸籍謄本をすべて集めるだけでなく、法務局へ提出する書類の作成もあり、知識が求められるためです。手間と時間がかかるものですが、司法書士へ依頼すれば、相続人が何かをすることはありません。
そのほかにも、将来自分が被相続人となるときのことを見据えて、遺言書の書き方なども相談できる点もメリットといえるでしょう。
■行政書士
遺産相続の際に行政書士に相談することは、実はあまり多くありません。
ただ行政書士は他の士業と比較して、費用が安い傾向にあります。
しかし、対応してもらえる業務範囲が限定されているため、複数のことを相談したい、依頼したいことがある、ということであれば司法書士や弁護士へまとめて依頼するほうが費用面ではメリットとなることも多いため、状況に応じて考えることをおすすめします。
■弁護士
相続でのトラブルや全般的な相談をしたい場合は、弁護士に相談しましょう。
基本的には、上記であげた項目以外のことは弁護士への相談で問題ありません。
相続人同士でトラブルが起きている、分割協議がなかなか進まない、遺言書について聞きたい、など他の士業の人では対応が難しいことも弁護士への依頼で解決することが多いです。
また、当然ですが、法律に関するすべてのことをカバーしてくれる点も、弁護士へ依頼するメリットといえます。
相続問題で相談をする際にチェックしておきたいポイント
相続問題を相談する前にチェックしておくべきことが3つあります。
それぞれについて確認してから、相談先を選定しましょう。
費用について把握しておく
遺産相続に関しての相談や手続きを依頼することを検討するのであれば、当然ながら費用も気になるところです。
基本的に発生する費用の種類は、相談料、着手金、成果報酬となります。
ここでは、司法書士を例にとって解説します。
近年、司法書士事務所の多くで個別の手続きへの対応以外に、相続に必要な複数の業務をセットプランとして提供しています。
不動産と預貯金、そのほかの財産すべてを相続する際のプランを始めとして、相続放棄をサポートするプラン、遺言作成と手続きをサポートするプランなど、ニーズに応じてさまざまなプランを扱う司法書士事務所も増えているため「何を依頼すればいいのかわからない。でも、できるだけ安く依頼したい」といった場合には、複数の業務をセットにしたプランを扱っているところを利用するとスムーズでしょう。
相談料については、無料相談窓口を開放している司法書士事務所もありますので、うまく活用するといいでしょう。
専門家の探し方
費用について大まかな数字が把握できれば、次は専門家の探し方です。主に3つの方法で探してみましょう。
■検索で探す
1つ目は、検索エンジンで探すことです。「エリア 相続 相談 司法書士」などで検索すれば、多くの情報がヒットします。
各事務所のホームページを確認して実績の確認もできますし、検索エンジンの口コミを参考にすることもできますので、活用しましょう。
■ポータルサイトで探す
2つ目は、専用ポータルサイトを活用することです。相続に強い専門家を一覧にしてくれるポータルサイトがありますので、そこから探すこともおすすめです。
過去の実績や費用感、各事務所の強みなどを比較しながら探せます。
■紹介
3つ目は、紹介です。
もし、身の回りに相続に関する専門家を知っている人がいて、信用できるのであれば紹介してもらうようにお願いしてみましょう。
信用できる人からの紹介であれば、相談もしやすく、信頼度も高いはずです。
相続を積極的に扱っている専門家を選ぶ
専門家を選ぶ際には、当然ながら相続に関して実績のある専門家を選ぶようにしましょう。
資格を持っている人なら誰でもいいわけではありません。
たとえば同じ司法書士でも、得意分野とそうでない分野があります。
ホームページなどを確認し、過去に相続問題を解決した実績や、運営している年数などを確認し、信用に足るか確認するようにしましょう。
まとめ
相続問題に関しての相談先としては、司法書士や税理士、行政書士・弁護士があります。それぞれ専門分野が異なるため、必要な部分は専門家へ依頼しておくと安心ではないでしょうか。
無料相談を受けてくれる窓口もありますので、有効に活用してみてください。
無料相談のご紹介
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。