【遺産分割・相続登記】実家に住み続けたい相続人と「公平に分けたい」兄弟の対立—換価分割で売却し、売却代金で中古マンション購入まで実現した事例(名古屋市)
- 公開日:2026/02/27
- 最終更新日:2026/02/27
状況
名古屋市中川区にお住まいのE様(50代・男性)から、「母が亡くなり、母名義の実家の相続が必要になったが、兄弟で話がまとまらず困っている」とご相談をいただきました。相続人はE様を含む兄弟3名で、長男は名古屋市内、末っ子は県外在住。皆さんそれぞれ仕事や家庭があり、頻繁に集まって話し合うことが難しい状況でした。
遺産の中心は、名古屋市内の実家(築年数が古い戸建て)と、預貯金が少額。お母様の死亡後、E様は実家に住み続けたかったが、遺産のほとんどが実家である以上、他の兄弟は代償金がないなら、E様が相続することは納得ができないとのご状況でした。
気持ちの問題、管理負担、金銭面の公平感が絡み合い、話し合いをすると感情が先に立ってしまい、協議が前に進まない状態になっていました。
司法書士の提案&お手伝い
本件のポイントは「E様の居住希望」と「兄弟の公平感」を調整することにあります。感情面の対立に見えても、実務としては①不動産の扱い(誰が取得するか/売却するか)②金銭調整(代償金の有無)③将来の管理負担(空き家・共有リスク)を切り分け、当事務所で話し合いの判断材料を揃えることで相続人間で合意形成が進むケースが多いため、次の順序で進めました。
1)相続人確定と財産の見える化(感情論を“共通資料”に置き換える)
まず、相続手続きの土台として、戸籍の収集により相続人を確定し、相続関係説明図を作成しました。並行して、実家不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書を取得し、物件の表示や評価の目安を整理。預貯金についても金融機関より残高証明、取引の履歴を取り寄せ、遺産全体の財産目録を作成しました。
2)話し合いの選択肢を3つに整理し、メリット・デメリットを明確化
次に、解決策を次の3案に整理して提示しました。
①E様が実家を単独相続(代償金で兄弟へ調整)
②共有で相続し、当面はE様が居住(ただし将来の処分が難しくなりやすい)
③売却して現金化し分ける(換価分割)
E様の希望は①または②ですが、①は代償金が用意できない点が壁でした。②は一見“今は丸く収まる”ように見えますが、将来売却や修繕の意思決定で必ず合意が必要になり、末っ子が遠方である点も踏わえると、後から大きな火種になりやすい方法です。ここを曖昧にしたまま共有にすると、次の世代に問題が先送りされるため、現実的なリスクとして丁寧に説明しました。
3)提携不動産会社と連携し、「住み替え」案まで含めて設計
本件、E様の実家への居住希望を尊重しつつも、代償金の捻出が難しい以上、E様が納得のできる新しい住居を見つけられるかも解決に向けて重要な点でした。
そこで提携不動産会社と協力し、実家の売却可能性・概算価格・売却までの期間感を整理すると同時に、E様が売却後に確保できる住まいの選択肢(中古マンション等)も検討しました。
「実家に住み続ける」ことは難しくても、売却代金の手取り見込みを踏まえて「無理のない予算で住み替える」道筋が見えると、E様の納得感が大きく変わります。兄弟側も「E様が住まいを失う」という不安が薄れ、公平性の議論に集中できるようになりました。
4)換価分割を前提に、手続きが止まらない書面づくりと進行管理
協議の結果、最終的に③換価分割(売却して現金化)を選択する方向でまとまりました。そこで当事務所は、売却後の分配まで見据え、遺産分割協議書に換価分割の条項を加えたものを作成しました。
結果
相続人全員が「公平に分ける」ことを重視しつつ、E様の生活再建にも配慮した結果、実家は換価分割として売却し、売却代金を分配する形で合意に至りました。相続登記を完了させたうえで売却活動へ移行できたため、手続きが途中で止まることなく進みました。
売却後、E様は手元に入った売却金を活用して、生活圏を大きく変えない範囲で「お手頃な中古マンション」を購入。最初は実家を手放すことに抵抗がありましたが、住み替えの具体案が見えたことで気持ちが整理され、結果として「実家に固執して揉め続けるより、現実的な住まいを確保できて良かった」と満足されました。
兄弟側も「公平に分配できた」「共有のリスクを残さず整理できた」と納得し、関係性を悪化させずに相続を完了できた点が大きな成果でした。
本件は、司法書士が法務面(登記・協議書・進行管理)を担い、提携不動産会社が不動産面(売却可能性・価格目安・住み替え選択肢)を支えたことで、単なる“売却”に留まらず、希望の洗い出しから生活再設計まで含めた満足度の高い解決に至った事例です。
「実家に住みたい相続人」と「公平に分けたい兄弟」が対立するケースは、名古屋市周辺でも非常に多いご相談です。遺産の大半が不動産で、預貯金が少額の場合、代償金が用意できず、話し合いが長期化しがちです。
✔実家を相続したいが代償金が払えない
✔共有にしたくないが、他に分ける方法がない
✔売却も考えるが、住み替えが不安
このようなお悩みがある方は、現状整理からご相談ください。
司法書士と提携不動産会社が連携し、相続登記から売却・住み替えまで見据えた最短ルートをご提案します!
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































