【相続登記・遺産分割】祖父の相続登記を25年間放置したまま父が死亡。数次相続を「祖父→父→子」で整理し、名古屋の不動産名義を一括で整えた事例(名古屋市)
- 公開日:2026/02/27
- 最終更新日:2026/02/27
状況
名古屋市西区にお住まいのD様(50代・女性)から、「実家の名義が祖父のままになっている。父も昨年亡くなり、売却や活用を考えたいが、相続が何重にもなっていて手が付けられない」とご相談をいただきました。
詳しく伺うと、名古屋市内の実家不動産(土地・建物)は、25年前に祖父が亡くなった際に相続登記がされないまま放置されていました。その後、祖父の相続を本来引き継ぐはずだったD様のお父様が、1年前に亡くなり、相続がさらに積み重なっている状態でした。いわゆる数次相続(祖父→父→子) です。
相続人の構成もやや複雑でした。祖父の相続当時は、祖母(すでに他界)と複数の子(D様の父を含む、叔父、叔母)が法定相続人であり、叔父・叔母がすでに亡くなっている場合は、その子(いとこ世代)へ相続権が移っていることも考えられます。放置期間が長いほど相続人が増えやすく、戸籍収集の範囲も広がるため、D様は「どこまでさかのぼればいいのか」「相続人が増えてもめないか」と不安を強く感じていました。
また、相続登記の義務化の話題もあり、「このままにしておくと将来さらに大変になるのでは」と危機感が高まったこともご相談の背景でした。現実に、売却・建替え・担保設定などを検討する段階になると、名義が祖父のままでは手続きが進まないため、早急に整理する必要がありました。
司法書士の提案&お手伝い
当事務所では、最初に「相続関係の確定」と「名義を動かすための合意形成」を分けて考え、手戻りが出ない順番で進める方針をご提案しました。数次相続で一番避けたいのは、相続人が確定しないまま話を進め、後から“協議のやり直し”が発生することです。
1)祖父の相続関係を“25年前の時点”に戻して確定
まず行うべきは、祖父が亡くなった時点で誰が相続人だったのかを確定することです。そこで、祖父の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)を収集し、祖父の配偶者(祖母)や子の存在を確認しました。加えて、祖父の相続人となった方々が現在どうなっているか(存命か、亡くなっている場合はその相続人は誰か)を追跡し、相続関係説明図(家系図形式)として可視化しました。
放置期間が25年と長いと、途中で住所や本籍が変わっていることも多く、戸籍の追跡が難しくなります。そこで当事務所が取得先を整理し、必要戸籍を漏れなく収集できるよう工程表を作成しました。
2)次に父の相続(1年前)を確定し、「祖父→父→子」の流れに接続
祖父の相続関係が確定した後、次に父の相続関係を整理します。父の出生から死亡までの戸籍を収集し、配偶者の有無、D様を含む子の構成を確定しました。
ここで重要なのは、祖父の相続で、祖父の法定相続人全員、父が実家を相続することに同意いただけるのか。次に、父の死亡により、父の法定相続人全員、D様が実家を相続することに同意いただけるのか、という2段階の合意形成を整理することです。
今回のケースでは、祖父の法定相続人であるD様の叔父様、叔母様が健健で、昔からお父様が実家を相続することに納得していたため、スムーズに、「祖父→父」へ実家を相続させる合意を得ることができました。D様を含むお父様の法定相続人間では、D様が実家を取得する代償として100万円の金銭を受け取ることで合意を得ておりましたので、「父→D様」の合意も得ることができました。
結果
当事務所が戸籍収集から相続人確定、相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の整備、登記申請までを一括して担ったことで、祖父の相続を25年間放置していた状態と、父が1年前に亡くなったことによる数次相続が重なっていても、名義を変更することができました。
具体的には、「祖父の相続で発生していた権利関係」を確定し、次に「父の死亡によりその持分が子へ承継される」流れを正しく接続したうえで、最終的な取得者(D様側)へ名義を変更することができました。
今回とは異なり、叔父、叔母が亡くなっていた場合、いとこ世代で遺産分割協議を行うこととなり、遺産分割協議も難航が予想されます。
放置期間が長い相続では、相続人が増え、多種多様な書類は必要となって参りますので、早めにご相談頂くことをお勧めします。
✔何代も前の相続登記が放置されていて手が付けられない
✔相続人が多く、誰に連絡していいか分からない
✔複雑な戸籍収集や遺産分割協議を専門家に任せたい
とお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































