【相続手続き・遺言】海外在住の子がいるため、将来の相続手続きをスムーズに進めるため、遺言を作成、弊所を遺言執行者に指定したケース
- 公開日:2026/02/27
- 最終更新日:2026/02/27
状況
名古屋市昭和区にお住まいのA様(80代・男性)から、「自分に万一のことがあったとき、相続手続きが家族の負担にならないよう準備したい」とご相談をいただきました。A様は奥様に先立たれており、お子様は2名。長男様は名古屋市内にお住まいでしたが、長女様は数年前から海外(アメリカ)で生活されており、帰国の予定は特にない状況でした。
A様の不安は大きく2つありました。1つ目は、相続が発生したときに「海外在住の相続人がいることで手続きが止まってしまう」ことです。戸籍収集、遺産分割協議書の署名、金融機関の相続手続きなど、相続は“相続人全員の協力”が必要になる場面が少なくありません。海外在住の場合、署名証明等の取得、郵送のタイムラグ、時差による連絡調整が重なり、手続きが長期化するケースがよくあります。
2つ目は、家族関係が良好であっても、相続発生後に「情報の不足や認識違いで揉めるリスク」があることでした。A様は「長男には名古屋の自宅を残して生活基盤を守ってほしい。一方で、長女にも納得できる形で財産を分けたい」というお気持ちがありました。
そこでA様は、「自分が元気なうちに、相続の道筋を作っておきたい」と考え、遺言書作成とあわせて、将来の手続きまで見据えたご相談に来所されました。
司法書士の提案&お手伝い
当事務所では、A様のご希望を実現するため、単に遺言書を作るのではなく「遺言+遺言執行」をご提案しました。相続手続きをスムーズに行うためには、法律上の形式だけでなく、実際に相続が発生した際の手続きを見越した内容で遺言書を作っておくことが重要だからです。
まず、A様の財産の洗い出しを行い、不動産(名古屋市内の自宅土地建物)、預貯金(複数金融機関)、有価証券の有無、生命保険の契約状況などを確認しました。次に、相続人それぞれの事情(海外在住・帰国頻度・連絡手段・本人確認書類の準備状況)を整理し、相続開始後にトラブルになりやすい事情をピックアップしました。特に海外在住者が関わる場合、印鑑証明書が取得できないことによる代替手続きに時間がかかりやすいため、注意が必要です。
遺言書については、公正証書遺言を選択しました。公正証書遺言は形式不備のリスクが低く、原本が公証役場に保管されるため、相続開始後に「遺言が見つからない」「内容が明確でない」といったトラブルを避けやすいメリットがあります。また、A様の意向を明確にするため、財産の分け方だけでなく、付言事項(なぜその分け方にしたのか、家族へのメッセージ)も丁寧に整えました。海外在住の相続人がいる場合、「日本にいないから不利になるのでは」という不安が生まれやすいため、付言事項で気持ちを言語化しておくことは、後々の納得感に直結します。
さらに当事務所からの提案として、遺言執行者を定め、当事務所が遺言執行者に就任する形を選択しました。遺言があっても、相続開始後は金融機関や証券会社での手続き、財産の換価・分配、名義変更など多くの実務が発生します。遺言執行者がいると、遺言に沿って手続きを主導できるため、相続人同士が協力し合う負担を大きく減らせます。特に海外在住者がいる場合は、連絡窓口を一本化し、必要書類と期限を明確にして進めることで、手続きが止まりにくくなります。
最後に、相続開始後を見据えて「必要資料の所在」を整理しました。通帳や証券口座の情報、保険証券、固定資産税の課税明細など、相続人が探し回らなくて済むよう、保管場所や一覧(簡易な財産目録)を作成し、A様の意思で管理できる形に整備しました。ここまで整えることで、相続発生後の初動が格段に早くなります。
結果
A様は、公正証書遺言の作成と遺言執行者の指定を完了し、「相続が起きた後に家族が迷わない状態」を生前に作ることができました。特に海外在住の長女様がいる点について、手続きが進まない事態を避けるための遺言内容に調整し、遺言執行者が実務を主導する形にしたことで、相続開始後に起こりがちな想定外の事態が発生する状況によるリスクを大幅に下げられました。
また、A様が最も気にされていた「家族が揉めないか」という点についても、分け方の理由を付言事項で丁寧に残し、円満な手続きを実現しやすくなります。
海外在住の相続人がいる相続は、戸籍の取得や署名手続き、金融機関対応が増え、想像以上に時間がかかることがあります。「まだ元気だから大丈夫」と先送りにすると、いざ相続が発生したときに、ご家族が手続きの渦中で疲弊してしまうケースも少なくありません。
名古屋市周辺で、
✔お子様が海外在住で将来の相続が不安
✔遺言を書きたいが、どこまで決めればよいか分からない
✔家族に負担をかけず、相続手続きをスムーズに終えたい
とお考えの方はお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































