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戸籍収集について、広域交付を使える部分と使えない部分に分け、依頼者と協力しながら最短で相続手続きを完了した事例(名古屋市)

ご相談の背景(名古屋市)

名古屋市内にお住まいのA様(60代女性)から、「ご主人が亡くなり、相続登記と預貯金の解約を進めたいが、戸籍が揃わず金融機関で手続きが止まってしまった」とご相談をいただきました。特に、不動産については、売却が決まっていたため、買主さんのためにも早く手続きを進めたいとのことでした。

A様は「戸籍の広域交付が始まったので、区役所でまとめて取れるはず」と考え、実際に窓口へ行かれたものの、必要書類が全部揃わず、追加で本籍地へ請求が必要と言われて混乱していました。

相続手続きでは、原則として「被相続人の出生から死亡まで連続する戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)」が必要です。しかし、転籍や本籍の変更があると“どこに何を請求すれば揃うか”が分からなくなり、ここで止まってしまう方が少なくありません。

広域交付制度について

戸籍の広域交付制度は、本籍地以外の市区町村窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できる仕組みで、相続の戸籍集めを大きく効率化します。
ただし、便利な一方で「万能」ではなく、ポイントを押さないと行き詰まってしまいます。

1)広域交付で取得できる主な書類

一般に広域交付の対象となるのは、戸籍謄本(全部事項証明)/除籍謄本(除籍全部事項証明)/改製原戸籍謄本です。

2)広域交付で取得できない書類

戸籍の収集過程で“行き詰まりやすい”代表例は次のとおりです。

  • 戸籍の附票(相続登記では故人の住所のつながりを求められます)
  • 兄弟姉妹の戸籍謄本
  • コンピューター化されていない古い戸籍等(自治体の保存状況によっては対象外になり得る)

3)運用上の重要な制約

広域交付は、郵送での請求ができず、代理人(委任状)による請求もできないのが大きな特徴です。つまり、「本人が窓口へ行く」必要がありますので、日中お仕事などでお時間を作ることができない方には利用しにくい制度にとなります。

2.当事務所における手続き

今回のA様のケースでは、広域交付のメリットを最大限活かしつつ、対象外書類で手続きが止まらないよう、最初に次のように整理しました。

STEP 1:取得書類の仕分けとリスト作成

依頼者様

① 広域交付で取れる戸籍を取得

当事務所作成の「取得リスト」を手に窓口へ。代理請求不可の書類をご自身で一括収集。

当事務所

② 広域交付不可の書類を代理取得

附票や古い戸籍など、広域交付対象外の書類を職権で本籍地へ請求し、先回りして収集。

GOAL:最短ルートで全書類が揃い、登記・解約へ

広域交付は代理請求ができないため、A様自身に窓口へ一度行っていただき、当事務所が事前に作成した「取得リスト(どの種類を何通、目的は相続手続き)」どおりに請求してもらいました。
この段階で、被相続人の戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)の大部分を揃え、相続人確定に必要な書類を収集しました。

さらに、相続登記で必要となる戸籍の附票など対象外になりやすい書類は、当時有無所が代理人として、本籍地に対して請求を行いました。
さらに、古い戸籍が混ざるケースでは、自治体の保存形態によって広域交付で出ないこともあるため、取得状況を見ながら“次にどこへ請求すべきか”を当事務所にて判断いたしました。

3. 解決結果(相続手続きが「止まらない」状態へ)

このように、
• 広域交付で取れるもの=A様が窓口で一括取得
• 広域交付で取れないもの=当事務所が別ルートで先回り
という分担にしたことで、戸籍収集が一気に前進し、最短で相続人確定→遺産分割の書面化→不動産の相続登記→預貯金の解約まで、手続きが途切れずに完了しました。

A様からは「最初に“取れるもの・取れないもの”を整理してもらえたことで、役所と金融機関を往復するストレスがなくなった」「自分がやるべきことが明確で、気持ちが楽だった」とのお言葉をいただきました。

4. まとめ(読者へのメッセージ)

広域交付制度は、相続の戸籍収集にかかる時間を大幅に短縮できる一方で、附票・など“対象外書類”があることや、郵送不可・代理不可といった制約があるため、ここを理解せずに動くと時間が延びてしまいます。

まずは、相続手続きにどれくらいの時間をかけられるのかを判断した上で、

  1. 専門家に全て戸籍収集を任せる、
  2. 依頼者様自身による広域交付を利用した戸籍収集と専門家による収集を分担する

など、当事務所では、状況に応じて、広域交付を活かしながら手続き設計をご提案します。

※記事内容を一部修正して掲載しております。
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また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。

この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ

代表

鈴田 祐三

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・不動産売買

経歴

立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。


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