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【相続登記・生前贈与】相続時精算課税制度で実現した贈与事例

【ご相談の背景】

今回ご相談いただいたのは、名古屋市内にお住まいの相談者様です。
相談者様は、長年父と同居していました。
対象となる不動産は父親名義で、以前から父親より「この家は同居しているお前に継がせるつもりだ」と言われていました。

母親はすでに他界しており、父親の子どもは相談者様とお兄様の2名。
現時点では兄弟関係は良好であるものの、将来相続が発生した際に、不動産の取得をめぐって兄ともめないかという点を強く心配されていました。

【相談者様の不安】

相談者様は遺言書の作成も検討されていましたが、

  • 父が遺言書を作っても、そのうち気が変わってしまうのではないか
  • 兄から遺留分を請求され、金銭トラブルになるのではないか

といった点に不安を感じていらっしゃいました。
一方、生前贈与については贈与税の負担が懸念点でした。

【当事務所からの提案】

弊所提携の税理士同席のもと打合せを行い、「相続時精算課税制度」を利用した生前贈与をご提案しました。

【相続時精算課税制度のポイント】

相続時精算課税制度を利用することで、2,500万円までの特別控除を使い、贈与時の税負担を抑えることが可能です。
この控除枠の範囲内であれば贈与税はかからず、将来の相続時にまとめて税金を精算する仕組みです。そのため、「生前に財産を移しても、無駄な贈与税を払わずに済む」という大きなメリットがあります。
なお、今回のご家庭では父の財産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を下回っていたため、最終的に相続税も発生しない見込みでした。
もっとも、相続開始前10年以内の贈与は遺留分計算の基礎財産に含まれる点についても説明し、十分に理解を得たうえで進めました。

参考:国税庁『No.4103 相続時精算課税の選択』

【手続き内容】

弊所が贈与による所有権移転登記を担当し、税理士が相続時精算課税選択届出書の作成・提出を行いました。

【解決結果】

不動産は生前に相談者様名義となり、将来の相続時に不動産を巡る争いのリスクを大きく下げることができました。
お父様も自身の意思を確実に反映できたことで安心されていました。

【司法書士からのコメント】

相続対策は遺言書だけでなく、生前贈与を含めた検討が重要です。生前対策と税金は密接に関連するため、司法書士と税理士が連携することで、より有効な対策を打つことができます。
当事務所では提携の税理士との同席相談も実施しており、ご家族にとって最適な相続対策をご提案しています。

【相続開始前10年以内の贈与と遺留分の関係について】

今回のご提案にあたっては、相続開始前10年以内に行われた贈与が、遺留分侵害額の算定においてどのように扱われるかについても、事前に丁寧な説明を行いました。
民法の規定により、相続開始前10年以内に相続人に対して行われた生前贈与については、原則として遺留分算定の基礎となる財産に算入されます。
そのため、仮に生前に不動産を贈与していたとしても、相続発生後に他の相続人から遺留分侵害額請求がなされる可能性が完全に排除されるわけではありません。
事前に制度の仕組みとリスクを十分に理解したうえで対策を行うことで、相続開始後に『知らなかった』『聞いていなかった』といった感情的な対立を防ぐことにもつながります。
当事務所では、このような法的リスクについてもご説明したうえで、ご家族にとって最善の方法を一緒に検討することを大切にしています。

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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ

代表

鈴田 祐三

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・不動産売買

経歴

立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。


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