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【相続手続き・遺言】公正証書遺言と遺産分割協議が併存した二段階相続を、一括申請でスムーズに完了した ケース

祖父の「公正証書遺言」があるのに、父が未登記のまま他界…どうすればいい?

「祖父が亡くなり、不動産を父に譲るという遺言書があったのですが、名義変更をする前に父も亡くなってしまいました。いまから孫である私の名義にできるのでしょうか?」

今回ご紹介するのは、このような複雑な状況(おじい様とお父様が相次いで亡くなられたケース)でご相談にいらしたA様の解決事例です。

いわゆる「数次相続(すうじそうぞく)」と呼ばれるケースですが、A様は2つの手続きをまとめて申請することで、スムーズに解決することができました。

相談時の状況:登記が2代にわたって止まっている

ご相談者のA様が直面していたのは、以下の2段階の相続が重なっている状態でした。

【1段階目】祖父 ⇒ 父(B様)
根拠:祖父の「公正証書遺言」あり
【2段階目】父(B様)⇒ 相談者(A様)
状況:遺言なし、相続人はA様と兄C様の2名

通常、相続登記は「亡くなった方から相続人へ」順番に行う必要があります。A様は「祖父から父への手続きはどうするのか」「父から自分への手続きには何が必要か」と、二重の手続きに不安を感じていらっしゃいました。

解決のステップ1:公正証書遺言の活用

まず、1段階目の「祖父から父へ」の相続について確認しました。
幸いなことに、おじい様は生前、公証役場で「公正証書遺言」を作成されていました。

自筆の遺言書の場合、家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きが必要となり、開封までに1ヶ月以上かかることもあります。しかし、公正証書遺言であれば検認が不要なため、即座に登記手続きの準備に入ることが可能でした。

解決のステップ2:兄妹間での遺産分割協議

次に、2段階目の「父からA様へ」の相続です。
お父様は遺言を残さずに急逝されたため、お父様の遺産(祖父から引き継ぐ不動産を含む)を誰が相続するかを決めるため、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)が必要でした。

相続人は、A様とお兄様(C様)の2名のみ。
お兄様は遠方にお住まいでしたが、ご関係は良好でした。「実家の土地はAが引き継ぐのが一番いい」と快諾いただけたため、当事務所で「遺産分割協議書」を作成し、スムーズに署名・押印をいただくことができました。

結果:2つの登記を「一括申請」で完了

書類が全て整ったところで、法務局へ登記申請を行いました。
今回は以下の2件の登記を、連続してまとめて(連件申請)行いました。

  1. 「公正証書遺言」に基づく、祖父から亡き父への名義変更
  2. 「遺産分割協議書」に基づく、亡き父からA様への名義変更

これにより、長年止まっていた不動産の名義が、無事にA様のもとへと移りました。

今回の重要ポイント:公正証書遺言の効力

今回のケースがスムーズに進んだ最大の要因は、おじい様が「公正証書遺言」を残していたことです。
もし遺言書がなかった場合、おじい様の相続人(父の兄弟姉妹や甥姪など)全員を探し出し、その全員と協議をする必要がありました。数次相続において遺言書の有無は、手続きの難易度を大きく左右します。

将来のトラブルを防ぐために

手続き完了後、A様は「ずっと気になっていた実家の名義が自分になり、本当に安心した」と喜んでおられました。また、ご協力いただいたお兄様からも「専門家が入ってくれたおかげで、自分も何をすればいいか明確で助かった」とのお言葉をいただきました。

今回のケースからも分かるとおり、生前に遺言書を作成しておくことは、相続人の負担や不安を大きく軽減する重要な備えとなります。特に公正証書遺言であれば、形式不備の心配がなく、検認も不要なため、相続手続きを迅速かつ確実に進めることができます。
また、遺言書があることで、相続の方向性が明確になり、不要な協議や将来的な紛争を防ぐことにもつながります。大切なご家族に余計な手間や悩みを残さないためにも、早い段階で遺言書の作成を検討することをおすすめいたします。
当事務所では、亡くなった後の相続手続きだけではなく、生前対策として公正証書遺言作成のサポートもご対応しておりますので、お気軽にご相談にお越しください。

参考情報
ご自身で相続登記の管轄を調べる場合は、法務局のホームページをご確認ください。
参考:法務局『管轄のご案内』(法務省Webサイト)

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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ

相続部門長

船戸 ゆい

保有資格

司法書士・相続手続カウンセラー・エンディングノート書き方セミ ナー講師

専門分野

相続・不動産登記・後見

経歴

南山大卒。名古屋市内の司法書士事務所に勤務中、平成24年度司法 書士試験合格。平成25年に鈴田司法書士事務所へ入社。平成27年鈴 田司法書士事務所の法人化により司法書士法人クオーレの社員とな る。相続に関する複数資格を保有していることから、相続に関する さまざまな悩みに対して最適な相続サポートを提案。多数の相談実 績を誇る。また、相続の相談件数1,400件以上の経験から相談者か らの信頼も厚い。


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