信頼できる人がいない…そんなときは?遺言の内容を確実に実現するために選んだ「自筆証書遺言保管制度」
ご相談内容
ご相談者様は70代の男性で、以前
から遺言書の作成を検討されていました。しかし、遺言を書いたとしても、ご自身の相続発生後に「家族が勝手に手続きを進めてしまうのではないか」という強い不安をお持ちでした。
また、公正証書遺言の作成も検討されていましたが、ご相談者様には「遺言を預けられるような信頼できる家族や知人がいない」という事情があり、「亡くなった後に家族がその存在に気づかず、遺言が無視されるのでは…」という懸念も持たれていました。
ご自身の最期の意思を確実に実現する方法を探し、当事務所にご相談いただきました。
当事務所の対応
まず、ご相談者様の遺言内容や家族構成を丁寧にヒアリングし、どのような形で遺言を残すのが最も適しているかを一緒に検討しました。
そこでご提案したのが「法務局における自筆証書遺言保管制度」の活用です。
この制度では、自筆証書遺言を法務局に預けて保管することができ、相続開始後には法務局から遺言書の存在が相続人等に通知される仕組みがあります。また、遺言者の希望により、遺言執行者にも死亡時に通知が届くよう設定できます。
この制度の大きなメリットは以下のとおりです。
・遺言書が紛失・改ざんされるリスクを防げる
・自筆証書遺言を発見した場合に必要な家庭裁判所での「検認手続き」が不要になる
・死亡後、相続人や遺言執行者に通知が届く
これにより、ご相談者様が心配されていた「遺言が知られず無視されるリスク」を大幅に低減することができます。
遺言内容についても、相続人間のトラブルを未然に防ぐため、できるだけ具体的かつ実行可能な文言で記載しました。また、当事務所を遺言執行者に指定することで、遺言内容に従った確実な相続手続きが行われる体制を整えました。
今回のポイント
遺言を作成しても、それが確実に実行されなければ意味がありません。特に、自宅で保管していた場合は、相続人に見つけてもらえない、あるいは意図的に隠されてしまうといったリスクもあります。
今回のように、
・信頼できる家族がいない
・遺言が無視されることが心配
・公正証書遺言の存在が知られない不安がある
といった方には、法務局の【自筆証書遺言保管制度】の活用が非常に有効です。
また、遺言執行者として専門家(司法書士等)を指定しておくことで、相続人間のトラブルを回避し、スムーズな手続きを実現できます。
【自筆証書遺言保管制度】について解説!
制度の概要
自筆証書遺言保管制度は、ご自身で作成した遺言書(自筆証書遺言)を法務局(遺言書保管所)に預けることができる制度です。 これまで自筆証書遺言には「紛失」「改ざん」「相続人に発見されない」といったリスクがありましたが、この制度を利用することで、それらの問題を解決し、より確実に遺言の内容を実現できるようになります。
制度を利用するメリット
1. 紛失・改ざんのリスクがない
原本と画像データが法務局で厳重に保管されるため、紛失や盗難、改ざんの心配がありません。
2. 家庭裁判所の「検認」が不要に
通常、自筆証書遺言を開封するには家庭裁判所の検認が必要ですが、この制度を利用すれば不要です。相続開始後の手続きの負担が大幅に軽減されます。
3. 相続人への通知
遺言者が亡くなった後、相続人の一人が遺言書の証明書を請求すると、他の全ての相続人に遺言書が保管されている旨が通知されます。これにより「遺言書の存在を知らなかった」という事態を防げます。
手続きの流れ
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遺言書の作成
法律で定められた形式(全文、日付、氏名を自書し、押印)で遺言書を作成します。用紙サイズや余白にも規定があるので注意が必要です。
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申請書の作成・予約
保管申請書を作成し、事前に法務局へ手続きの日時を予約します。予約は電話またはインターネットから可能です。
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法務局での手続き
予約した日時に、遺言者本人が法務局へ出向き、手続きを行います。本人確認書類や手数料(1通 3,900円)が必要です。
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保管証の受け取り
手続き完了後、遺言書の保管証が発行されます。保管証には保管番号が記載されており、相続人が手続きをする際に必要となります。
ご注意ください
法務局は遺言書の形式的な要件(様式)はチェックしますが、遺言の内容が法的に有効かどうか(遺留分を侵害していないかなど)の審査は行いません。 内容に不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ事前に相談することをおすすめします。
遺言についての無料相談実施中!
当事務所は、相続放棄の初回相談を完全無料で承ります。
相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せください。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは0120-7584-02になります。
お気軽にご相談ください。
電話受付▶10:00~19:00(平日)10:00~17:00(土日祝)
遺言執行のサポート費用
サービス内容 | 費用 |
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遺言執行サポート | 遺産評価総額の1.1%~ |
※ 遺産額に関わらず、報酬は最低30万円(税込33万円)からとなります。
※ 遺言書預かりサービス:10,000円/年(税込11,000円)(当方を遺言執行者に指定頂いている場合は無料です。)
※ 諸証明発行等の実費は別途かかります。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。