登記簿に表題部所有者の記録があるのみの不動産(墓地)を相続したケース
ご相談内容
依頼者様は、亡くなったご親族(被相続人)から表題部の記録のみが存在する墓地を相続しました。しかし、登記簿上の情報が古く、所有者欄に被相続人の氏名のみが記載されている状態で、住所やその他の詳細情報が一切記載されていませんでした。そのため、依頼者の名義にする手続きを進めるにあたり、被相続人と登記簿上の所有者との同一性の証明が困難な状況でした。
相続した土地が宅地であれば、不在籍証明書・不在住証明書や評価証明書などを提出することで登記が認められることが多いのですが、今回のケースでは墓地のため、これらの書類で法務局に同一性を認めてもらえないという問題が発生しました。
解決までの流れ
法務局への照会と追加資料の検討
まず、法務局に対して、表題部に記載された氏名と被相続人との同一性を示すための資料について照会を行いました。しかし、戸籍や非課税証明書など一般に相続の手続きで提出する書類では、法務局の求める「確実な同一性の証明」には不十分と判断されました。
追加資料の収集と提出
法務局との協議を重ね、ご依頼者様が持っていた墓地に関する資料や、被相続人の親族に関する資料などを追加で提出することで、被相続人と表題部所有者との同一人であると認められる可能性が出てきたため、被相続人及び相続対象の墓地に関するすべての資料を提出し、登記を申請しました。
登記手続きの完了
登記申請後、法務局より確認の電話があったものの、最終的に被相続人と表題部所有者との同一性が認められ、依頼者様の名義で墓地の相続登記が無事完了しました。
解決のポイント
・法務局と綿密にやり取りを行い、必要な資料を確認しながら手続きを進めた点
・戸籍や非課税証明書だけでなく、墓地自体に関する資料など「客観的な根拠」を揃えた点
・墓地という特殊な不動産の相続において、柔軟なアプローチで解決策を模索した点
司法書士からのコメント
本件のように表題部しか存在しない不動産の相続では、登記簿の情報が非常に限られているため、通常の相続登記よりも手続きが複雑になることがあります。そのため、法務局としっかり協議を行い、求められる資料を適切に準備することが重要です。
今回のケースでは、上記のポイントを押さえた協議により、無事にご依頼の登記手続きを完了することができました。
もし、同じような状況でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。