相続人は3名(妻と先妻の子2名)の複雑な相続問題
ご相談内容
ご依頼者様(A様)は、後妻であり、ご主人様が亡くなられたことで相続手続きを進める必要が生じました。相続人は、A様とご主人様の前妻との間に生まれた子であるB様、C様の3名でした。しかし、A様とB様、C様は長年疎遠であり、特にB様とC様はA様に対して複雑な感情を抱いている様子でした。
ご主人様が残された財産には、不動産や預貯金が含まれていましたが、相続人同士の関係が希薄なため、遺産分割協議がスムーズに進むかどうか不安を感じていたA様が、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
問題点
①相続人同士の関係が希薄
相続人であるA様、B様、C様は、家族間での交流がほとんどなく、特にA様はB様、C様との接点がありませんでした。そのため、遺産分割協議を行うにあたって、連絡手段の確保や協議の進め方が課題となりました。
②A様の不安
A様は、相続手続きが複雑になるのではないか、また、B様、C様が遺産分割協議に応じてくれるのかという点について強い不安を抱えていました。特に、B様とC様との接点が全くないため、協議が難航する可能性を危惧していました。
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③B様の相続放棄の意思
A様のご主人様の前妻の子であるB様は、相続手続きに関わる意思が薄く、相続放棄を検討しているとのことでした。しかし、正式な手続きを行っていなかったため、相続放棄の意思確認とその手続きが必要でした。
当事務所のサポート内容
当事務所は、A様の状況を丁寧にヒアリングした上で、以下の解決策をご提案しました。
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①相続人B様、C様との連絡確保
まず、A様が接点のないB様、C様との連絡手段を確立するため、戸籍、住民票の調査を行い、B様、C様の現住所を確認しました。その後、当事務所が代理人としてB様、C様に連絡を取り、相続手続きの説明と遺産分割協議への参加を依頼しました。
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②B様の相続放棄手続きのサポート
B様が相続放棄を希望していることを確認したため、家庭裁判所への相続放棄申述書の作成をサポートしました。また、B様が手続きを完了したことを家庭裁判所からの通知で確認しました。
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③遺産分割協議書の作成と署名取得
C様が遺産分割協議に応じる意思を示したため、A様とC様の間で遺産分割協議を進めることが可能になりました。当事務所が遺産分割協議書を作成し、双方の署名・捺印を取得するためのサポートを行いました。
解決のポイント
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①相続放棄の活用による手続きの簡略化
B様が相続放棄を選択したことで、実質的な協議の当事者がA様とC様の2名に絞られました。これにより、協議がスムーズに進むようになりました。
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②第三者の介入による信頼関係の構築
相続人同士が疎遠であっても、第三者である司法書士が間に入ることで、双方の信頼関係を構築し、冷静な話し合いができる環境を整えました。
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③丁寧な説明と迅速な対応
相続手続きに不安を感じていたA様に対し、遺産分割協議の流れや手続き内容について丁寧に説明し、安心感を提供しました。また、B様、C様への連絡や書類作成などの対応を迅速に行うことで、解決までの期間を短縮しました。
結果
家庭裁判所での相続放棄手続きを完了し、A様とC様の間で遺産分割協議が円満に成立しました。その結果、A様は不動産と預貯金の一部を相続し、C様は預貯金の残りを相続することで合意しました。
相続手続きは、ご依頼から約3か月で無事に完了し、A様は「思ったよりも早く、スムーズに解決できて安心しました」と大変満足されていました。
今回のケースのように、相続人同士が疎遠であったり、面識がない場合でも、司法書士が間に入ることでスムーズに相続手続きを進めることができます。また、相続放棄を活用することで、手続きを簡略化し、相続人の負担を軽減することができます。
相続は、家族間の関係性や状況によって非常に複雑化することがありますが、専門家に依頼することで、安心して手続きを進めることが可能です。相続に関するお悩みがある際は、ぜひ当事務所にご相談ください。
解決までの流れ
1.初回相談(A様のご来所)
相続人の状況や財産内容をヒアリング
2.戸籍、住民票調査
相続人B様、C様の現住所を確認
3.相続放棄手続き
B様が家庭裁判所へ相続放棄申述書を提出
4.遺産分割協議書の作成
A様とC様が協議を行い、合意内容を文書化
5.名義変更手続きのサポート
不動産登記や預貯金の名義変更を完了
当事務所では無料で相談を承っております
相続手続きは、相続人同士の関係性が良好でない場合でも、専門家のサポートを受けることでスムーズに進めることができます。特に、相続放棄や遺産分割協議書の作成など、法的な手続きが必要な場面では、司法書士の存在が重要です。
今回の事例のように、相続人が複数いて関係が希薄な場合でも、冷静に手続きを進めることで、相続問題を円満に解決することが可能です。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。