法定相続情報一覧図を使用して効率的に相続手続きを行ったケース
- 公開日:2023/01/05
- 最終更新日:2026/09/08
【名古屋での相続事例】多数の預貯金・株式と不動産の遺産整理
ご相談の状況
お父様がお亡くなりになり、長女の方から当事務所(司法書士法人クオーレ)へご相談をいただきました。
実家の不動産に加え、複数の銀行や証券会社に口座をお持ちの状況でした。今回は、不動産の名義変更(相続登記)から、預貯金・株式の払い戻し・解約までをすべて一括で行う「遺産整理業務」として受任いたしました。
| 被相続人 | 父 |
|---|---|
| 相続人 | 母、長女(ご依頼者様)、二女の計3名 |
| 主な相続財産 | ・不動産(実家の土地・建物) ・預貯金(10以上の金融機関に口座あり) ・株式(証券会社2社で管理、10銘柄以上) |
司法書士の提案と手続きの流れ
長女と二女はすでに実家を離れており、お母様のみが実家にお住まいでしたので、不動産はお母様名義へ変更することでスムーズに遺産分割協議がまとまりました。
一方で、預貯金や株式の手続きには非常に多くの金融機関が関わるため、以下のような手順で効率的に進めました。
相続財産の調査と遺産分割協議
ご家族での協議を基に遺産分割協議書を作成し、各金融機関の口座状況や残高証明等を取得して財産を確定させました。
相続人確定のための戸籍収集
被相続人(お父様)の出生から死亡までのすべての戸籍、および相続人全員の戸籍を収集し、相続人が誰であるかを公的に証明する準備を行いました。
法定相続情報一覧図の作成と法務局での手続き
収集した戸籍をもとに「法定相続情報一覧図」を作成し、管轄である名古屋法務局 本局へ申し出を行いました。同時に、実家の不動産の相続登記申請も完了させました。
各金融機関での解約・名義変更
交付された法定相続情報一覧図の写しを用いて、10以上の銀行および2社の証券会社における預貯金・株式の払い戻し・名義変更手続きを一斉に進めました。
【要注意】多数の金融機関の手続きを「戸籍」だけで行うと高額な費用と時間がかかります
相続手続きには原則として「被相続人の出生から死亡までの戸籍」が必要です。生前に転籍が多かった場合、除籍謄本や改製原戸籍(各750円)、戸籍謄本(450円)の発行手数料だけで数千円〜数万円かかってしまいます。
さらに、金融機関の数だけ手続きを同時進行させようとすると、分厚い戸籍の束を何セットも取得しなければならず、手数料が莫大な金額になってしまいます。かといって1セットを使い回す場合は、各金融機関での審査や確認作業に長期間待たされ、すべての手続きが終わるまでに数ヶ月を要するという機会損失につながるため注意が必要です。
法定相続情報証明制度の活用でスムーズな相続手続きを
法定相続情報証明制度とは?
前述した「戸籍収集の手間と費用」の問題を解決し、相続登記を促進するために法務省で新設されたのが法定相続情報証明制度です。
登記官の認証文が付いた「法定相続情報一覧図」の写しを必要な枚数だけ交付してもらうことができ、この1枚があれば分厚い戸籍の束を提出する代わりになります。
参考:法務省|「法定相続情報証明制度」について
- 無料交付: 発行手数料は無料です(※10枚以内の請求であれば通常、法務局からの特別な事情聴取もありません)。
- 同時進行が可能: 複数枚交付されるため、複数の銀行や証券会社での手続きを同時に進められます。
- 時間の短縮: 金融機関の窓口で戸籍の束を一枚一枚コピー・確認される時間が省かれ、手続きが非常に短時間で完了します。
- 幅広い利用先: 法務局(相続登記)、金融機関だけでなく、年金事務所などの公的な手続きでも利用可能です。
今回のケースでは金融機関の数が多かったため、名古屋法務局 本局にて10枚の交付を請求し、不動産の相続登記だけでなく、すべての金融機関への書類提出を無事に短期間で完了させることができました。
結果とまとめ
法定相続情報一覧図を利用することで、提出書類が圧倒的に少なくなり、スムーズに遺産整理が可能となります。
実務上でも、金融機関で分厚い戸籍の写しを取られる待ち時間を大幅に削減できるため、預貯金や株式等の口座を複数お持ちのご家庭には必須と言える制度です。
【要注意】作成には専門的な知識と正確性が求められます
作成後は大変便利な法定相続情報一覧図ですが、その申し出の準備(相続人を確定させるための過不足ない戸籍の収集、書式のルールに従った一覧図の作成など)には細かな注意点が多くあります。不備があれば修正のために法務局へ何度も足を運ぶことになり、かえって時間がかかってしまいます。
迅速かつ確実に手続きを進めるためには、戸籍の収集段階から司法書士など専門知識を持つ専門家へ一任することが、結果として最もご負担の少ない選択肢となります。
名古屋市周辺で、複数の金融機関の相続手続きや不動産の相続登記にお困りの方は、名古屋法務局 本局の管轄エリアをはじめ、幅広い地域の手続きに精通している司法書士法人クオーレまで、ぜひお気軽にご相談ください。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。






















































