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法定相続情報一覧図を使用して効率的に相続手続きを行ったケース

状況

【家族関係】
被相続人は父
相続人は母、長女、二女の3名
依頼者は長女

【相続される財産について】
財産は実家である父名義の不動産(土地、建物)と預貯金、株式
預貯金は複数の銀行に口座を持っている
株式は2社の証券会社で管理

今回は不動産の名義変更と預貯金、株式の手続きを全て全て弊所で行う遺産整理業務として受任しました。

司法書士の提案&お手伝い

不動産については、長女と二女は既に実家を出ており母のみ実家に住んでいる状態のため不動産は母名義に変更することになりました。

不動産の相続登記については既に話がまとまっていたこともありとてもスムーズに遺産分割協議が進みました。

預貯金については、母が把握している銀行でも10以上の銀行に口座がありました。

株式の管理している証券会社も2社あり、2社で合わせて10以上の銘柄をお持ちでした。

まずは預貯金、株式共に調査をする必要があり、その後払い戻し(解約)の手続きにはいります。

調査をする段階では被相続人の死亡記載のある戸籍と代表相続人の戸籍(被相続人と相続人の関係性がわかるもの)が必要になります。調査の段階で収集する戸籍はさほど多くはありませんが、払い戻し(解約)の段階にはいると被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍が必要になります。被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要な理由は、相続人となる親族が誰になるかを確認するためです。

亡くなった時点の戸籍だけでは相続人全てを確認できないため、亡くなった時点の戸籍から生まれた時点の戸籍へとさかのぼって取得し相続人を確認する必要があります。
戸籍に関する証明は本籍地で発行するため、婚姻や転籍などで他の市区町村から戸籍が移った場合、それ以前の戸籍は元の市区町村に請求する必要があります。

また、手数料は除籍、改正原戸籍が750円戸籍が450円です。被相続人の出生から死亡までの戸籍が大量になった場合はそれだけで手数料がかかってしまいます。

今回の場合では被相続人がいくつかの市町村への転籍があり出生から死亡までの戸籍で少し多めの戸籍の量になりその分手数料も多くかかってしまいました。

今回のように、金融機関が多い場合では全ての金融機関へ一斉に提出できれば早く手続きを行うことができますが、そのためには戸籍を何セットも取得しなければいけません。それでは手数料も高額になりとても現実的ではありません。そこで法定相続情報一覧図を作成することになりました。


法定相続情報一覧図とは

制度創設の背景としては不動産の名義人が死亡した場合は相続登記が必要になるのですが近時、相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加しその結果、所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっていることが指摘されています。

そういったことをなくし、相続登記を促進するために法務省において法定相続情報証明制度が新設されました。制度の概要は登記官の認証文付きの法定相続情報一覧図を発行してもらえることです。
法定相続情報一覧図発行には被相続人の出生から死亡までの戸籍、被相続人の住民票又は附票、相続人の戸籍、住民票又は附票等が必要になります。
相続情報一覧図を作成することによって、相続登記の申請手続きをはじめ、被相続人名義の預貯払い戻し(解約)等、様々相続手続きに利用することができます。

法定相続情報一覧図の交付枚数に制限はありませんが,あまりに多数枚の交付を請求すると,法務局から多数枚が必要な理由の聴取を受ける場合があります。10枚以内の交付請求であれば,法務局からの事情聴取はありません。また、法定相続情報一覧図作成には手数料はかからず、無料で作成することができます。

また提出できる機関は法務局、金融機関だけではなく様々な機関での取り扱いが広まってきています。令和2年10月26日からは,被相続人の各種公的年金等手続において,死亡した保険給付の受給権者又は死亡した被保険者若しくは被保険者であった者との身分関係を証する書面として,法定相続情報一覧図の使用が始まっています。


 

今回は、金融機関が多いため10枚を請求しました。

今回の遺産整理では父名義の相続登記についても法定相続情報一覧図を使用し、無事相続登記を完了することができました。

金融機関への書類提出にも法定相続情報一覧図を使用し、戸籍を使用するより短時間で無事全ての手続きを完了することができました。

結果

法定相続情報一覧図作成には戸籍収集に加え、作成上の注意点も多くあります。しかし作成してしまえば、単純に提出書類が少ないのでスムーズに手続きが可能になります。

実務的な事で言えば、戸籍の場合で金融機関の払い戻し(解約)の手続きを行うと金融機関ですべての戸籍の写しを取らなくてはならず、とても時間がかかります。しかし、法定相続情報一覧図の場合は一枚の写しを取るだけでよいため短時間で済むのです。

このように様々な場面で使用可能になってきている法定相続情報一覧図ですが、冒頭にも上げたように作成するにあたって注意点が多くあり、迅速に作成するには専門的な知識のある専門家に作成を任せるのがより良い選択肢の一つであるのは間違いありません。

※記事内容を一部修正して掲載しております。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ

代表

鈴田 祐三

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・不動産売買

経歴

立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。


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    初めてのことでしたので相談するまでは無駄な時間や労力を費やしてしまいました。 相談後は指示された書類を提出するだけでスムーズに事が運び、感謝の言葉しかありません。 また何か困ったことがありましたらクオーレさんにお願いしようかと思っておりますし、知人や友人にも紹介したいと思います。

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    父に続いて、2か月後に母が亡くなり、相続手続きが複雑になりました。 悩みに悩んで、クオーレさんにご相談に伺いましたが、担当いただいた船戸さんの笑顔、適切なご説明で心の重荷が解消しました。 本当にありがとうございました。

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    担当の方には全部お仕せ致しましたので特に不安なことはなく終わるまで安心して過ごすことができました。 途中、細かい報告なども連絡頂き、有難かったです。 悩みは人それぞれの事情があって複雑だと思いますが、クオーレさんなら 一人一人に寄り添って、きちんと解決して下さると確信しております。

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