相続財産の中に不要な山林や農地が含まれていたケース
状況
お父様がお亡くなりになられて、その相続のご相談でご来所されました。
お悩みになられていたのは、お父様が養子縁組されており、養親から相続された遺産の中に遠方の山林や農地が含まれていることでした。
遠方の山林や農地となると管理ができないため、その部分については相続放棄をしたいとお考えでしたが部分的な相続放棄ができません。
そこでどのようにしたらよいかということが主なご相談内容でした。
司法書士の提案&お手伝い
①まず相続等により取得した土地を国庫に帰属させる制度の法案が令和3年4月21日に国会で可決されました。
その制度が後々利用できないかと考えましたが、要件が厳しく利用できない前提で考えるべきとの結論になりました。
②次に市町村に引き取ってもらえないかということを考えました。
こちらも現在ではすでに市町村で利用することが決まっているなど限られた条件を満たさないと難しいのですが、一応問い合わせてみることにしました。
やはり申し出をしてもらうことはできますが難しいと思いますというという回答でした。
そうすると、それ以外でできることを考えなければなりません。
③そこで、今回のケースではたまたま財産を今後管理していく方が決まっているという事情があったため、山林、農地とそれ以外の財産を相続する者をそれぞれ分けて相続することになりました。
これがベストというわけではありませんが現状選択できる中ではベターなものであると思われます。
今後、山林・農地を相続した相続人が亡くなった後にその相続について相続放棄することになる予定です。
この相続放棄も全く問題がないわけではありませんが、やむを得ないということになりました。
相続放棄をしたらそれで終わりというわけではなく、相続財産管理人が選任されるまで山林・農地を管理していかなければなりません。
また、相続財産管理人の選任を申し立てる場合に予納金を拠出しなければならないという問題もあります。
これらの問題は残るものの総合較量した結果方針が決まったというわけです。
結果
今回のケースでは被相続人が養子縁組をしていたことにより、不要な財産を相続してしまうことによる不利益を、二次相続のことも考え、できるだけ後世に承継させずにするかということを考え、各財産を相続する相続人が遺産分割により決まりました。
なお、山林には所有者変更届をしなければならないものがあり、今回の対象地は届出が必要な山林でした。
遺産分割の手続きだけでなくそれ以外に必要となる手続きもご案内し、すべての手続きをご相談者様がご満足いただける形で終えることができました。
また、まとめサイト等への無断引用を厳禁いたします。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。