争族対策、相続税対策、認知症対策を組み合わせた生前対策の事例
状況
母親も高齢になってきたこともあり、将来亡くなった際、相続トラブルにならないか心配になり、長女様がご相談にみえました。
(1)ご家族関係
お母様、長女様(相談者)、弟様
(2)資産状況
・お母様と長女様が同居する自宅
・現在空き家になっているマンションの持分(他の共有者は、弟様)
・預貯金等
提案と解決方法
お母様からもお話をお伺いすると、次世代への財産分配先をお決めになっており、同居している長女が主体となって生前対策や資産管理を任せていきたいとのご意向でした。
ご意向を実現するためには、特に対策をしないままにお母様に相続が発生した場合、主に3つの問題点を解決する必要がありました。
1.相続人全員で遺産分割協議を行うことが必要となります。完全なる平等でない限り、お母様が生前思い描いたとおりに次世代へ遺産を分配できない可能性があります。
また、現在のご家族関係は円満だとしても、不慮の事故等により相続人に変化(例えば、弟様の配偶者やお子様が相続人となる、妹が意思表示できない状況になる等)が生じると、既に整っていると思っていた分割内容が思い通りに実現できない可能性があります。
2.資産状況をお伺いする限り、相続税が発生する可能性が高く、お元気な今だからことできる節税対策、納税資金対策があるように見受けられました。
3.お母様が将来的に体調を崩し、判断能力の欠如が生じた場合に、財産の管理(不動産の契約関係・修繕、預貯金の引き出し等)ができず(いわゆる財産の凍結)、次世代の方自身の資産から費用(介護費用等)を捻出しなければならない場合があります。
上記の問題点を解決するため、下記のご提案をさせて頂きました。
1.遺言書等による対策を行うことで、遺産分配先をご希望どおりに決めておくことができます。
また、遺言を作成することで、遺産分割協議を省略できるため、相続発生時の手続きが格段にスムーズに進みます。
司法書士などの専門家と一緒に作成を進めることで、どのような文言、表現方法で遺言書に入れればいいのか、不慮の事態や遺留分を想定した内容で作成できる等のメリットがあります。
2.相続分野に精通した税理士による現状資産による相続税の試算を行うことで、節税対策を検討できます。節税対策を行うことで数百万円から数千万円単位の節税が可能になる場合がございます。ただし、進め方を間違えてしまうと適切な節税効果を得られないことや税務調査を誘発することに繋がりますので、税理士と一緒に進めることをお勧めします。
3.NHK等でも近年取り上げられている「家族信託(民事信託)」を活用することにより、お母様がお元気なうちに、長女様へ財産の管理処分権限を託すことができます。家族信託は、間違った内容で進めてしまうと、本来必要のなかった税金負担が発生したり、うまく財産を承継できなくなってしまうこともありますので、家族信託に精通した司法書士などの専門家と一緒に進めることが必要です。
結果
当事務所の提案にご納得いただき、まずは「1 遺言書の作成」、「2 相続税対策」から始めることにしました。近いうちに、「3 家族信託」についても前向きに考えていきたいとのことでした。
このようにいくつか提案をさせて頂く中で、相談者様にとって、優先度が高いと思われるものから取り組んでいただくことも可能です。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。