遺産分割で困らないよう遺言書を作成したケース
状況
ご相談者のご家族関係は、お父様、お母様、ご本人、弟さんの4人家族で、お母様が認知症を患っているため、お父様の所有する不動産について、お父様が亡くなられた場合の名義変更に何か支障があるのではないか心配し、ご相談にみえました。
また、一部お母様が所有する不動産も含まれているため、その不動産についても何か今のうちにできる対策はないかということでご相談されました。
司法書士のお手伝い
不動産の名義変更をするには、相続人全員で話し合い、誰がその不動産を取得するかを決める必要があります。これを遺産分割といいます。
相続人の中に認知症など意思能力が十分でない方がいらっしゃると、話し合いをすることができず、意思能力のない方に成年後見人をつけるか、または意思能力のない方がお亡くなりになるまで不動産が凍結したままになってしまいます。
その不動産を売却したり、担保に提供したりすることができなくなってしまうのです。
遺産分割をせずに法定相続分で相続人全員の名義をつけることも可能ではありますが、その後売却をしようと思っても、意思能力のない方は、売却をする意思を発することができないので、結局売却することはできず、その不動産は凍結することになってしまいます。
遺言書を書いて不動産の取得者を決めておくことによって、相続人の中に意思能力が十分でない方がいらっしゃっても、遺産分割の手続きをすることなく、遺言書に沿って不動産の名義変更をすることができます。
今回の事例も、お母様がすでに認知症を患っていて意思能力が十分でないということで、お父様がお亡くなりになられた際の遺産分割に支障をきたすことが考えられたので、お父様に遺言書を書いていただくことをご提案しました。
お父様と面談させていただき、お母様が認知症であることにより、お父様に万が一のことがあった場合に遺産が凍結してしまうリスクをご説明差し上げ、遺産をどのように引き継いでいきたいかなどのお話をうかがって、遺言公正証書を作成することになりました。
残念ながらお母様の不動産に関しましては、遺言書を作成するにも意思能力が必要となるため、現段階ではお手伝いできることはありませんでした。
結果
公証人と、証人として弊所のスタッフ2人が立会いのもと、遺言公正証書の作成手続きが無事完了しました。
ご相談者様へ報告すると、これで安心できたと喜びの言葉をいただけました。
遺言書を作成しておくことで、遺産分割でもめるリスクを避けるためだけでなく、遺産凍結のリスクを避けることもできます。
また、遺言書を作成するには意思能力が必要となりますので、まだ元気だし遺言書を書くなんて早すぎると考えず、早すぎるということはありませんので、お元気なうちに作成しておくことが重要です。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人クオーレ
代表
鈴田 祐三
- 保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士
- 専門分野
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相続・遺言・生前対策・不動産売買
- 経歴
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立命館大卒。平成13年司法書士試験合格。平成19年に鈴田司法書 士事務所を開設。平成27年に司法書士法人クオーレを立ち上げ、 代表を務める。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累 計相談件数1,400件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。